抗精神病薬の処方の適正化

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抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬及び抗精神病薬の処方の適正化

この4月から(H26/4)向精神薬の多剤投与の見直しが行われる。
メンタル疾患の急増を背景に、町のクリニックの中には、『売上向上のために』本来は内科医なのに、専門外である心療内科や精神科の看板を出して患者を集患するクリニックが急増している。

『売上向上』を目的とするこれらのクリニックでは、患者を治すことより、病名を増やし、できるだけたくさんの薬を処方し、できるだけ長く通院させることを優先しているのではないかと思われるような運営方針のところが目立つ。結果、軽症だった病気が徐々に重症化し、長期間会社を休むことになったり、職を失ったりして、どん底の状態でようやく、国立系の精神科や歴史のある単科の精神病院に転院を決意する。
転院先の「精神科医」の多くは、もっと早く適切な治療を患者が受けていたら、もっと早く治癒できたのにと嘆いている。
『売上向上』目的の内科では、患者が通院しなくなったのは、完治したからだと勘違いしている医者が多い…しかも、自分は腕がいいと周囲の関係者に自慢をしたりする愚か者が多い。

 

多剤投与の規制

国はこの状況を改めるために精神医療分野(うつ病など)での医師の専門性基準を厳しくし、精神科の専門医以外の医師の保険点数を引き下げるなどの改定を行ったが、クリニック側はこれを補うために、薬の種類をたくさん処方するという方法で点数を稼ぐことが主流となる。正に「薬漬け」医療の状態を招き、今回それが是正される。

多剤投与の規制の中身は、3種類以上の抗不安薬。3種類以上の睡眠薬。4種類以上の抗うつ薬。4種類以上の抗精神病薬を投与した場合、外来支援・指導料を算定できなくなり、②処方箋料などが減額されるというものである。日本以外の先進国では、単剤もしくは2剤までが基本であるが、日本では、4剤、5剤、それ以上を処方されている患者がたくさんいる。
専門の精神科医であるならば、くすりの数や量を増やしても、病気の治癒率が上がらないことを知っている。専門外の売上目的の医師は薬を増やすことが売上につながる。脳に直接作用する向精神薬の副作用はひどく、治るどころか副作用がひどくなり、その副作用を治す薬をまた処方することでお金を儲けている専門外の医師が残念ながら相当いる。

精神科への転院のススメ

もし、通院中のクリニックで4月以降、もしくは10月以降に、突然、薬の数が減らされるた方は、治すことより『売上』を考えている医師に治療されていた可能性を考えるべきだ。悪いことは言わないので、しっかりとした精神科医を見つけて、転院してほしい。

困ったことに、薬が減らされた結果、一時的に脳内のバランスが崩れてしまい、症状が悪化したり、自殺に繋がってしまうことも十分考えられる。

このため保険点数の引き下げを、既に投薬している患者については6か月間猶予できることになったのだが、この間に、徐々に薬の量や飲む頻度を引き下げ、急激な脳内の変化を抑えつつ、薬の量を減らしていく治療方針に変わる人が多くなるはずだ。

いずれにしても、病気を治すためには、患者側が医師をきちんと厳選できるようになることが必要であり、薬だけでなく、認知行動療法などを学び、病気になりやすいこれまでの「考え方のクセ」を見直すことも必要である。

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高橋 雅彦

高橋 雅彦株式会社ドクタートラスト 代表取締役社長

投稿者プロフィール

1964年生まれ(50歳)1988年早大理工卒後、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)に入行。病院専門の融資課長などを経験し、2004年同行退社。2004年「医療」と「企業」を結ぶことを目的に「株式会社ドクタートラスト」を設立、社長就任。現在10期目。趣味は休日のパンづくり。 会社がある渋谷区松濤町会の理事を兼任。

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