新型うつ病と職場での対応

うつ病に罹患する人の増加が問題になっていますが、その中で従来のうつ病とは異なる「新型うつ病」と呼ばれる症状が若い世代を中心にクローズアップされています。
「新型うつ病」は専門用語ではないものの、従来型のうつ病と区別される「非定型うつ病」のほぼ同義として使用されています。
新型うつ病では、気分の落ち込み等、症状として従来型と一致する部分一方、正反対の症状に特徴があります。
今回は「新型うつ病」についてわかりやすく解説します。

仕事中だけうつ、会社の外では元気

新型うつ病の特徴は、日常生活や仕事・対人関係がうまくいかず「自分を責める」従来型とは違い、不調の原因を「周囲の環境や他人のせいにする」ところです。
特に職場で物事がうまくいかない場合、「会社が悪い」「上司が悪い」等の言葉が口癖であることが多く見られます。
また、原因もなくいつも憂鬱感がある従来型とは違い、新型うつ病は本人にとって都合の悪いことがあった場合に気分が沈みその状態が続くものの、良いことや楽しい出来事があるとたちまち元気になります。
発症年代は、従来型は中高年に、新型は20~30代前半の若い世代に発症することが多いです。

新型うつ病の主な症状

1)自分の好きな仕事や活動の時だけ元気になる
2)「うつ」で休職することに対してあまり抵抗がなく、逆に利用する傾向がある
3)身体的疲労感や不調感を伴う
4)自責感に乏しく、問題があると周囲のせいにしがち
5)自尊心が強く、傷つきやすい
6)過眠、過食気味(体重増加)

周囲の接し方

これらの症状から、新型うつ病はなかなか周囲の理解を得られにくいです。
「仮病ではないか」と不信感を抱かれ、偏見にも結び付いています。
しかしながら、本人は気分の浮き沈みに疲弊し苦しんでいるうえ、多くは、誰も自分を理解してくれないと思っています。
周囲にいる人は、気まぐれ・怠け・我儘に見えても、まずは病気であることを認識し、理解して接することが必要です。
新型うつ病患者は、言葉に対して過敏なため、本人を傷つけるような言葉は避けましょう。
状況によっては、励ましの言葉も非常に有効とされています。
ただあまりに保護的な対応をし続けると、逃避意識の強い新型うつ病患者は先に踏み出そうとしなくなることが考えられます。
急性期を過ぎたら、自立を促すよう本人でできることは本人にしてもらい、それに対してきちんと評価(褒める)することで、小さな成功体験を積み重ねてもらうことが大切です。
従来のうつ病とは対処法が違う部分があることを理解し、患者が「少し頑張る」ようにし、あくまでも強制でなく、冷静になった本人に気付かせるような言動を心がけましょう。
このような「育てる関わり」が必要とされる新型うつ病ですが、他罰的な傾向から、周囲の方が参ってしまうこともあり得ます。
そこは病気がさせているのだと理解し、抱え込まず受け流すことも必要です。

ベースは信頼関係

一言でうつ病と言っても、現代は典型的なうつ病患者の症状や治療経過とは異なるものが出てきています。
それが企業におけるメンタルヘルスの混乱の要因となっている可能性もあります。
人格の未熟性も原因として指摘される新型うつ病は、特に中高年世代には理解しがたい部分もあるかもしれません。
しかし、新型うつ病患者が増えている背景として、上司・職場側と若い世代との価値観のギャップが挙げられていることからも、まずは上司が部下の人格と発達段階を理解して接することが必要です。
会話をすることで日頃より信頼関係を深めましょう。
その信頼関係があってこそ初めて上記で挙げた対応が有効となるためです。
専門家につなぐことはもちろんだが、生活の一部である職場という場所で、長い目で見守る体制を作っていくことが、いま必要とされています。

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