産業医:1割置かず 全国初、1200社指導へ 大阪労働局

大阪労働局は今月にも、産業医や衛生管理者を置かない大阪府内の約1200社の
一斉指導に乗り出す。
悪質な場合は労働安全衛生法違反の疑いで書類送検する方針。

産業医の選任について

大阪労働局によると、従業員の健康を守る産業医などの選任について、集中的な行政指導は全国で初めて。
従業員ら17人が胆管がんを発症した、大阪市の印刷会社「サンヨー・シーワィピー」を巡る事件を教訓に、
違法状態を早期に解消する狙いだ。

大阪労働局はサ社に産業医らがいれば、健康診断などで従業員の異変に気付いて
被害の拡大を防ぐことができた可能性が高い、としている。同様の労災の再発を防ぐため、
違法状態の事業所の担当者を呼び出して直接、是正を強く求める。

労働安全衛生法は、従業員50人以上の全ての事業所に、産業医と衛生管理者を選任するよう義務付け、
違反した場合は50万円以下の罰金を科している。

産業医は従業員の健康診断をしたり、少なくとも月1回、健康を損なう恐れがないか職場を
点検したりする役目を担う。
従業員から選ぶ衛生管理者は、従業員の健康や職場の衛生環境について記録したり、
会社側に改善を求めたりするのが務めだ。大阪労働局によると、昨年11月末時点で、
産業医がいない従業員50人以上の事業所は全国平均で12・2%、衛生管理者の場合は13・5%に上る。
大阪では対象の約1万事業所のうち966社(9%)が産業医、1267社(12%)が衛生管理者を置いていなかった。

違法状態の事業所は中小企業が中心で、製造業、運輸業、スーパーなどの業種で目立つという。
コスト面などから、敬遠する経営者が多いとみられる。

一方、労働局側も違法状態を認識しながら、これまで十分に指導してこなかった。
労働行政が賃金の未払いなど従業員が訴える事案や労災事故の処理に重点を置いてきた側面もある。
しかし、サ社の事件では、産業医や衛生管理者を長年置かず、従業員の体調の異変を察知する体制を
取らなかったことが事態を悪化させた疑いが浮かんだ。
産業医などの選任を巡る労働局の指導強化は、各地に広がる可能性もある。

出典:「毎日新聞 2014年01月05日 大阪朝刊」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】在宅勤務で新たなハラスメント「リモハラ」「テレハラ」が発生

  2. 【動画あり】「抗原」「抗体」ってなに? コロナ抗体検査は必要?

  3. 「新型コロナウイルス感染症対策」の動画、資料、ポスターを公開しました

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る