
Q.ノロウィルスに感染した社員を、無給で休ませることは出来ますか?
A.できません。
就業を禁止しようとする際、あらかじめ産業医その他専門の医師の意見を聞かなければならないとされています。
すなわちドクターストップです。
法律で規制される感染症について
法律では伝染性の疾病にかかった場合、労働安全衛生法68条・労働安全衛生規則61条に基づき、就業を禁止しなければいけないとされています。
これに基づき休業させる場合には、法律で就業が禁止されていますので、労働基準法26条に定める平均賃金の6割以上の休業手当を支払う必要はありません。
一見これを読むと、無給にて就業制限をかけることが出来そうですが、残念ながら、ノロウィルスの感染の場合には、これは当てはまりません。
感染症法18条に基づき、就業制限をかけることができるのは、感染症法で分類されている一種感染症、二種感染症、三種感染症、そして新型インフルエンザなどです。
意外と知られていない事実なのですが、ノロウィルスは五種感染症に該当する為、法律による就業制限の対象となる感染症ではないのです。
つまりノロウィルスに感染したとしても法律上では就業制限はかからないということになります。
よって会社の判断として休業を指示した場合、会社都合での休業とみなされますので、休業手当支払いが必要となります。
ノロウィルス感染者を休業させないことによるリスク
尚、ノロウィルスや、ロタウィルスに感染している者を故意に飲食店などで働かせた場合、
食品衛生法違反となるケースもありますので、そういった点も注意が必要です。
現在、企業内でのノロウィルス感染も大変多く、個々の社員に衛生と予防への意識付けが求められています。
外出の多い営業職の方等は、手洗いうがい等の身近な予防から徹底を心がける必要があります。