在宅勤務という働き方

先日、厚生労働省からいわゆるブラック企業による、過酷な労働実態を表す調査結果が発表された。
調査からは、100時間を超える残業があることや、ハラスメントが起きている等、深刻な問題が多く見受けられた。
このような問題が起きている企業(事業所)には、厚生労働省がすでに是正勧告書を出しており、改善を求めている。
厚生労働省では、このような仕事と生活の不調和を改善するためのひとつの方法として、在宅勤務の普及活動に取り組んでいる。
在宅勤務とは、事業主と雇用関係にある労働者が、労働時間の全部または一部について、自宅で情報通信機器を用いて行う勤務形態のことを言い、事業場内で勤務する場合と同様に労働基準法、最低賃金法等の労働基準関係法令が適用される働き方だ。(在宅勤務ガイドライン参照)
政府では、在宅勤務を2015年までに700万人とすることを目標に推進しており、平成23年度の調査では490万人が在宅勤務を行っていると推計されている。

在宅勤務を導入する際のポイント

【就業規則に在宅勤務に関する規定があるかどうか】
在宅勤務に人事異動する場合の規定や、専用の労働時間を定める場合、通信料の支払いに関する規定等があるかどうか。

【新しく雇う人に在宅勤務を行わせる場合】
事業主は、新しく雇う労働者に自宅でテレワークを行わせようとする場合には、労働契約を結ぶ際に就業の場所が自宅であることを書面で明示する必要がある。(労働基準法)

【既に雇っている人に在宅勤務を行わせる場合】
事業主および労働者は、労働契約の変更をできる限り書面で確認する。(労働契約法)

導入するには少し手間が掛かる在宅勤務だが、メリットとしては、仕事と生活の調和が取れるだけでなく、次の点を挙げることができる。

【企業側のメリット】
・災害や流行性疾患が起きた場合等に事業を継続できる
・オフィスの節電対策ができる
・通勤手当等の経費を抑えられる

【労働者側のメリット】
・育児や介護、病気の治療等をしながら働くことができる
・通勤による、肉体的・精神的な疲労の軽減が見込める
・通勤時間がないことによる、自由な時間の増加

在宅勤務には、仕事と生活の調和が取れるだけではなく、さまざまなメリットがあることがわかる。
しかし、現状として、在宅勤務者が大幅に増加している傾向はない。

在宅勤務が増えない理由

1.労働時間の管理
在宅勤務となると勤務時間と生活時間が混在することになり、所定の労働時間を全うしているかの判断が難しくなる。

2.健康管理
作業環境の把握が難しく、上司による気づきの対象にできなくなってしまう。

3.勤怠の管理
労働者の作業能力や、自己管理能力に大きく影響されることだ。
使用者の目が及ばない場所での作業となりますので、その場での適切な指導ができない。

このように、在宅勤務を導入するには不安を感じる点も多々ある。
しかし、いわゆるブラック企業の問題等で企業の責任が問われる場面も多くなってきており、よりよい作業形態が求められている。
もし在宅勤務を導入することにより、長時間残業や無理な就業がなくなるようであれば、一度、在宅勤務の導入を考えてみては如何だろう。

在宅勤務に関する資料はこちら(厚生労働省)
在宅勤務での適正な労働時間管理の手引き
在宅勤務ガイドライン

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