アスペルガー?

長年精神科領域に身を置いていると、あまりにも日常的過ぎて特に気に留めることなくご本人とも接して過ごしてしまっていたわけですが・・・。
世の中的にはいろいろ誤解が多いらしいよ∑!!ということで、今回はちょっと変わった方たちのご紹介。

アスペルガーとは

皆さんは「アスペルガー」もしくは、その省略された形である「アスペ」という言葉を聞いたことはありませんか?
正式には「アスペルガー症候群」という、興味・コミュニケーションについて特異性が認められる広汎性発達障害(脳機能の障害)のことです。
主な原因は遺伝的なものとされています。
各種の診断基準には明記されていませんが、総合的なIQが知的障害域ではないことが多く、「知的障害がない自閉症」として扱われることも多い障害ですが、自閉症と言っても決して他者との会話を避けようとするようなものではありません。
世界保健機関・アメリカ・日本などにおける公的な文書では、自閉症とは区別して取り扱われています。
アスペルガー症候群の人たちは、興味の面では、特定の分野について驚異的なまでの集中力と知識を持ちますが、会話の面では、「空気を読む」行為を苦手とする(言葉の裏の意味を理解できない)といった特徴を持っていることが多くあります。
たとえば、「顔で笑って心で泣く」というような現象は理解できないといわれます。
目に見えている感情表現と、目に見えてない感情が違っているという感覚がわからないのです。
また、話の中に5W1Hがない曖昧な表現や言い回しを理解することも難しいと感じます。
このような特徴をきちんと理解した上で、「障害があるのだから」と切り捨ててしまうのではなく、適切な対応をするようにしましょう。

たとえば…
・「適当に」「だいたい」「ほどほど」「キレイに」「丁寧に」という曖昧な表現を使わない
・見本を示して視覚的に理解してもらう
・長さの場合は「何センチ」と明確に示す など

最近では、アスペルガー症候群とみられる物語の主人公などがよく見られます。
監督や原作者による記載はないものの、『アイ,ロボット』の主人公 デル・スプーナーや、『ガリレオ』の主人公 湯川学、同様にガリレオシリーズから『容疑者Xの献身』の主人公 石神哲哉などが、アスペルガーの症状をよく表しているとして、アスペルガーが有名になるきっかけにもなりました。
しかしアスペルガーが有名になることによって、その天才的な頭脳や、どこか惹かれる「変わり者」といった雰囲気が、注目され始めている現状があることも事実です。
アスペルガー症候群の社会認知が広がる一方で、アスペルガー症候群の人間は「頭の良い人」であるとか、「ちょっと変わった人」という一種のステレオタイプ化が進んでいる風潮は危険でもあります。
そして、例え医師の診察で否定されても、「自分はアスペルガー症候群に違いない」であるとか、対人関係がうまくいかないことに「アスペルガー症候群でこうなった」と決め付け、食い下がる人も増えているのだそうです。
ノートパソコンインターネット上で自己診断ができるというサイトもあるようですが、専門医しか診断することはできません。
自己診断は危険なことですので、しないでくださいね!!
もしどうしても診断をする必要が出てきた場合は、発達障害の診断が可能な医療機関病院を探して受診し、きちんとした診断を受けてください。

ちなみに、今年5月に19年ぶりに改訂された米精神医学会が定める精神医学の診断基準「DSM-5」では、DSM-IVで「小児自閉症」や「アスペルガー障害」などのサブカテゴリーを含む「広汎性発達障害」とよばれていたものが、「自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorders:ASD)」という一つの診断名に統合されます。
日本語訳版はまだ発行されていませんが、今後正式に日本語版が発刊されると、診断基準も今までのものとは変わるものと予想されます。

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