加熱で死なない食中毒菌!
- 2013/7/5
- 食事

加熱によっても死滅しない菌がいる
「え?十分な加熱調理で食中毒は防げるんじゃないの?」と思うだろう。
驚くことに、熱に対して強い性質を持つ菌もいるため、全ての食中毒が「加熱して安全」とは言い切れないのである。
代表的なもので、セレウス菌、ウェルシュ菌、ボツリヌス菌が、この熱に強い菌として知られている。
本日はその中でも、1事件あたりの患者数が多い、ウェルシュ菌についてお話ししていく。
ウイルスウェルシュ菌とは
人や動物の腸管や、土壌に広く生息している。
原因となる食品は肉類、魚介類、野菜が多く、酸素のないところで増殖する性質を持っている。
<原因食品と、菌の増殖>
上記食品を使用した加熱調理食品が原因となる。
(例:カレー、シチュー、肉じゃが、ロールキャベツなど)。
問題となるのは、これらが前日に加熱調理され、一晩室温放置された場合だ。
室温放置によって、加熱調理食品が徐々に冷却していく間にウェルシュ菌は急速に増殖していくのである。
(50度になると増殖が始まり、45度になる頃には最も増殖速度が速く、発育する)
そして再加熱した時、食品内の酸素が放出するため、酸素を苦手とするウェルシュ菌にはより好条件となり、増殖してしまう。
例えば、カレーを作り置きした場合、このようなことがカレー鍋の中で起こっていると考えていただきたい。
できたてよりも、翌日に食べるカレーの方が美味しいということはよくあるのだが・・・
しかし、火を止めてわずか一晩の間に、じわじわと菌が増殖を続けていくのだ。
予防するために
・前日の作り置きをしない。
・加熱調理後2時間以上室温に放置しない。
・加熱調理後、2~3時間以内に、20度以下に急冷する。
⇒冷却していくのに時間がかかればかかるほど、菌が増殖していくため。
・加熱調理後、一旦保存をする場合は、よくかき混ぜることで酸素に触れされる。その後、小分けにして冷蔵保存する。
⇒小分けにすると、それだけ酸素に触れる面積が増えるため、菌の繁殖を防げる。
加熱を過信せず、適切な調理・保存をして食中毒を防ごう。