海外渡航のあとに・・・
- 2013/8/19
- 病状・症状

先週は夏期休暇をとった方も多いのではないでしょうか。
今日は海外渡航に伴う感染症について
帰国後に注意していただきたい点についてのお話です。
感染症対策と言えば、空港で赤外線のサーモグラフィに
ジーっと見つめられていますよね。そこをパスしたのでもう安心ではないのです。
海外滞在時に感染し、帰国後に発症する…ということもあるのです。
そのため、帰国時だけでなく帰国後も体調の変化に注意が必要です。
感染症の症状として、主なものは発熱と下痢です。
発熱をおこす感染症
途上国から帰国後に発熱した場合は・・・
デング熱、マラリア、腸チフス、ウイルス性肝炎などの熱帯感染症の可能性を考えます。
デング熱はここ数年、東南アジアで流行しており、
日本人の患者の発生も報告されています。
主な症状は、発熱と発疹で、通常は1週間程度の経過で回復します。
マラリアは熱帯や亜熱帯に広く流行している熱病で、
流行地域では日本人の患者の発生もあります。
腸チフスやウイルス性肝炎も途上国に多い病気で、
発病時は高熱が主な症状になります。
ほとんどの感染症には有効な治療法があり、
早期に治療すれば完治が可能です。
下痢をおこす感染症
海外で下痢をおこす原因は細菌が約8割を占めます。
その中では大腸菌が最も多く、通常は2、3日の経過で回復します。
赤痢菌やコレラ菌が原因になることも時々ありますが、その場合は重症化しやすく、
入院加療が必要になります。
一般に細菌やウイルスによる下痢は急性の経過(1日に下痢を何度も繰り返す)
寄生虫による下痢は慢性の経過(何日か軟便が続く)をとります。
また細菌やウイルスは潜伏期間が短いので、
帰国後すぐにおこる下痢はこれらが原因になっていることが多いようです。
その一方で、寄生虫は潜伏期間が長く、帰国後1カ月してから発病することもあります。
もし、帰宅後に症状が出た場合は医療機関を受診し、
海外から帰国後であることを必ず医師に伝えましょう。
今週も頑張りましょう。