
皆さんの会社では、健康診断は春に受診しますか?秋に受診しますか?
企業によって健康診断の受診時期は様々ですが、
秋に健康診断を受診された方にはそろそろ結果が届いているのではないでしょうか?
生活習慣病
今回は健康診断で異常所見が見られることが多い、生活習慣病についてのお話です。
<健康クイズ>
健康診断結果で、有所見者が1番多い項目は、以下の中のどれでしょう?
(1)血圧 (2)肝機能 (3)血中脂質 (4)血糖
これらの項目は、高血圧・脂肪肝・脂質異常・糖尿病などと関係が深い項目です。
生活習慣病の危険を示す、代表的な項目とも言えます。
皆さんの中にも、異常を指摘されたことがある方もいるのではないでしょうか。
正解発表は、もう少し引っ張りたいところなのですが、話を進める為に答え合わせです。
正解は、血中脂質です。
平成24年の定期健康診断では、有所見者が全国平均で32.4%となっています。
働く方の、約3人に1人が脂質異常を指摘されていることになります。
ちなみに、他の項目の有所見率は、肝機能 15.1%、血圧 14.5%、血糖 10.2%となっています。
また、健康診断で実施されている検査項目の中で、一つでも異常を指摘される方の割合は、52.7%にも及びます。
こんなにも多くの方が、健康診断で異常を指摘されていることをご存知でしたか?
異常を指摘された方には、経過観察や再検査・精密検査、医師の診療などが指示されます。
しかし、異常を指摘され、再検査や精密検査、
医師の診療を指示された方の、全てがきちんと病院に行っている状況ではありません。
ある健康保険組合が調査した結果では、糖尿病・高血圧・脂質異常症を指摘された方の中で、
早急に治療の必要があると判断されるレベルの方の、治療状況は以下の様になっていました。
きちんと治療を受けている方の割合は、
糖尿病で50%、高血圧では30%、脂質異常症では僅か3%という結果が出ています。
この結果からは、2つのことが読み取れます。
・健康診断結果で、早急に治療の必要があると判断される方の、多くは治療を受けずに放置している。
・きちんと治療をしている脂質異常症や高血圧の方は、健康診断結果で極めて高い数値を指摘されることは少なく、治療効果は高い。
特に脂質異常症では、病名的な認知度が低いことと、他の疾患に比べ自覚症状がほとんどないため、放置している方が多い様です。
しかし、放置していると動脈硬化につながる危険な病気です。
男性では40代から、女性では50代から、虚血性心疾患や脳血管障害を発症する可能性があります。
実際に、近年では在職中に虚血性心疾患や脳血管障害を発症し、休職する方も多くなってきています。
保健師からのアドバイス
生活習慣病は、定年後の健やかな生活を脅かすだけでなく、勤労生活にも影響を及ぼします。
大切なのは、薬を使った治療をしないことではありません。
動脈硬化や心筋梗塞、脳血管障害などの、重大な合併症を引き起こさないことです。
そのためには、血圧・血中脂質、血糖値などを正常に保つことが大切です。
健康診断で、再検査や精密検査、医師の診療を指示された場合には、放置せずに必ず受診しましょう。