夜勤勤務者は、いつ、何を食べると太りにくい?押さえておきたい食事のポイント

夜勤勤務者は、いつ、何を食べると太りにくい?押さえておきたい食事のポイント

朝起きて、昼間仕事をして、夜に眠る日勤勤務者であれば、朝・昼・夜と食事のリズムがあり、それぞれの時間帯で自分なりに決まった食事の量や内容があると思います。
日勤帯の生活リズムの方は、一般的には、1日のエネルギー(カロリー量)が適切であれば、「朝:昼:夜=3:4:3」の比率で摂取カロリーを分けると太りにくいと言われています。
夜は食後には就寝となるため、食後のエネルギーの消費量が少なく、夜にドカ食いすると太るのは、イメージしやすいことでしょう。

リズムの異なる夜勤勤務者

しかし、夜勤帯に働く場合、いつ、何を、どれくらい食べれば太りにくいのか……。
日勤帯とは異なるリズムに、悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、夜の時間帯に仕事をする場合の食事の選び方のポイントをお伝えします。

夜勤前、夜勤中、夜勤後は何を食べる?

夜勤前の食事(昼~夕方ごろ)

夜勤勤務者は、昼や夕方に軽食を取って出勤することが多いと思います。
ここでとる食事は、これから始まる仕事の重要なエネルギー源になります。
しっかり仕事に集中できるよう、お菓子などではなく、きちんとした「食事」をとりましょう。
具体的には、以下2つを最低限揃え、片手に乗るくらいの野菜を添えられるとベストです。

・ ごはんやパンなどの炭水化物
・ たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)

自宅で手軽に準備できるおすすめメニューの一例としては、卵かけごはんや納豆ご飯。
洋食なら卵サンドやツナサンド。
そこにサラダや野菜の小鉢を加えられると理想です。

夜勤中の食事(深夜)

勤務中の休憩時間の食事。仕事が忙しく休憩時間が十分に取れなかったり、仮眠時間を長く取りたいといった理由から、おにぎりやカップラーメン、パンなどで簡単に済ませる方も多いようです。
ただ、人間の体は18時ごろから深夜にかけてBMAL1という脂肪合成を促すたんぱく質がどんどん分泌され、深夜2時ごろにピークになります。
この時間帯に、炭水化物に偏った食事や、砂糖の多い菓子パン、脂っこい調理パンを食べると、肥満につながりやすくなります。
しかし、何も食べずに翌日まで勤務を続けると、終業後のドカ食いにもつながります。食べるもののカロリーや内容に気を付けて、食事を選びましょう。
実際に食べるものを選ぶ際のポイントとしては、以下の3つがポイントです。

・ 400kcal前後を目安
・ 炭水化物のみ(おにぎりやパン、麺のみ)の食事は避け、野菜やたんぱく質も一緒に取る
・ 揚げ物やスナック菓子、菓子パンなどの食品は避ける

コンビニや総菜など、市販食品を活用する場合も多いかと思いますので、パッケージのカロリー表示を見て、400kcal前後になるように調整しましょう。
コンビニなどで手軽に食べられるものを選ぶ場合は、以下のような商品がおすすめです。

・ 野菜とたんぱく質(ツナやチキン、冷しゃぶなど)が入ったサラダパスタ
・ たんぱく質(ツナやたまごなど)など、具がしっかり入ったサンドイッチ+サラダ
・ 野菜がしっかり入ったトルティーヤ+ゆで卵

勤務開けの食事

翌日の朝、もしくは昼は、仕事終わりでお腹が空いており、つい食べ過ぎてしまう人も多いようです。
ただ、このあとに睡眠をとる場合に高カロリーの食事をがっつりと食べてしまうと、肥満につながりやすいほか、消化をする胃に負担もかかります。
このタイミングで食べ物を選ぶ際のポイントは、以下2つです。

・ 揚げ物など油分の多い食事は避ける
・ 消化のいい食事を選ぶ

油分の多い食事は、高カロリーになりやすいだけでなく、消化に時間がかかり、胃に負担がかかります。
そのほか冷たい食べ物、根菜など食物繊維の多い食べ物は消化しにくいためなるべく避け、野菜料理であれば生よりも加熱したものが好ましいです。
一般的に「食物繊維が豊富で健康的な食品」と言われやすい玄米や雑穀米、そばなどは消化しづらく、このタイミングの食事には白米やうどんのほうがベターです。
具体的には、以下のような食べ物を選ぶことがおすすめです。

・ 温そうめんや卵とじうどん
・ 雑炊+茶碗蒸し
・ おでんやシチューなどの煮込み料理

食事のあとすぐに睡眠をとる場合は、腹八分程度にしましょう。
また、お酒を飲む場合のおつまみは、脂質の多い物や塩分の多いものは控えましょう。
お酒+塩分の多い食べ物の組み合わせはむくみの原因にもなります。

さいごに

夜勤帯に働く人向けの生活習慣の整え方の情報は、日勤帯に働いている人にくらべると世の中に少なく、いつ、何を食べるといいのか難しく感じる方もいらっしゃると思います。
夜勤勤務者は生活習慣病になりやすい、という統計データもあります。健康診断で所見が見られたり、高血圧・糖尿病・脂質異常症と診断されている方は、以下の資料に所見別の食事の選び方のポイントや具体的な食事例も記載されています。
夜勤の勤務帯に働かれている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

<参考資料>
東京労災病院治療就労両立支援センター『深夜勤務者のための食生活ブック─健康をめざすコンビニ食の選び方─』

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本多いずみ株式会社ドクタートラスト 管理栄養士/健康運動指導士

投稿者プロフィール

従業員向けセミナーや特定保健指導を通して、食事や運動・生活習慣のアドバイスを行う管理栄養士/健康運動指導士。「楽しく賢く健康になる」がモットー。「見た物のカロリーがだいたいわかる」という特技を持っている。
保健指導の経験を積むなかで、働く環境が心身の健康に及ぼす影響の大きさを実感。個人の食事や運動にとどまらず、組織全体の健康にアプローチができる医療職を目指し、健康経営のアドバイザーも務める。
【保有資格】管理栄養士、健康運動指導士、第一種衛生管理者、健康経営エキスパートアドバイザー
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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