良い睡眠とれていますか?今日から眠活を始めましょう!

日本人は睡眠不足?どれくらい必要?

みなさんは毎日どのくらい睡眠時間を確保していますか?
私たちは有限な時間の中で、仕事や家事、育児、趣味などさまざまな活動を行っていますが、「時間が足りない」ときに最も犠牲になりやすい、してしまいがちなのが「睡眠」です。
睡眠は単なる休息ではなく、身体のあらゆる不具合を治してくれる非常に大切な活動になります。
睡眠が十分に確保できると、「人生が豊かになる」と言われるほどあらゆる面でプラス、ポジティブに働きます。
人生と言われると大げさに感じますが、すっきり目覚められる、仕事中眠たくない、身体が軽いなどを実感するとそれだけでも気持ちや行動はガラッと変わります。
最近はSNSでも話題になっている某乳酸菌飲料が爆発的に売れていますが、睡眠の質・量を高めたいと思っている人が非常に多くいることが伺えます。
今回は私たちにとって大切な睡眠について詳しく解説していきます。

年齢や睡眠の質にもよるため、十分な睡眠がとれているかどうかは非常に個人差がありますが、「日本人は諸外国とくらべて睡眠時間が短い」というのをよく耳にします。
2019年OECD(経済協力開発機構)の調査によると日本の平均睡眠時間は7時間22分で、加盟国30か国中ワースト1の短さでした。
そのうち特に短いのは子ども、働き盛りの年代です。
さらに細かく年代でわけると30~40代は平均6時間程度の人も多いようで、睡眠を削りがちな傾向にあります。

 

睡眠時間が短くなる理由は、「残業」「通勤時間」「スマホなどの通信機器を触る時間が長い」などが挙げられます。
人それぞれ環境や状況が違うため、すぐに改善が難しい問題もありますが、まったく満足できていない、寝不足を常に実感している方は、今一度自分の状況を見直してみる機会にしてみましょう。
どのくらい睡眠時間が確保できれば十分かは、前述のように個人差があるため一概には言えず、年齢を重ねるにつれて生理的にも短くなっていきます。
また、諸説あるため、「何時間が正しい睡眠です」と言い切れませんが、多くの日本人にとって「睡眠時間7~8時間程度」が日々の活動をする際に必要となっている説が一番有力です。
そして、これはあくまで私の実感ですが、産業保健師として関わる働き盛りの方々の中で、「体調が悪い」、「精神的につらい」など相談をしてくれる方々の話を聞くと、睡眠時間が短く、「4~5時間程度」と答える方が多い印象です。
また10時間以上の過睡眠となっている方も不調を訴えることが多いと感じます。
極端な睡眠時間は心身の不調に陥りやすいため、適度な睡眠に近づけることは重要です。

睡眠不足が起こす影響

慢性的に睡眠不足に陥ることを「睡眠負債」と表現されることもあります。
睡眠負債がたまっていくと、私たちの身体にさまざまな不調を及ぼします。

・ 判断力、記憶力、コミュニケーション能力などの能力が2~5割低下する
・ 免疫力が低下しやすいため、感染症にかかりやすい
・ 太りやすい、内臓脂肪がたまりやすい
・ 血糖値が上がる
・ 血圧が上昇する
・ 認知症のリスクが高まる
・ ストレスを増大させる
・ 疲れやすい
・ 感情のコントロールが難しくなる など

ちょっとした不調だけではなく、生活習慣病から精神的な不調、認知症まで、長期的に見ると治療が必要な重大な病気に繋がる可能性もあります。
上記に記載した症状を引き起こした場合、睡眠不足だけが影響していると断言することはできませんが、睡眠不足を解消することは、あらゆる不調を軽減する可能性を秘めています。

睡眠の絶大なる効果

なぜ十分に睡眠をとったほうが良いのか、睡眠時間を削りすぎるのは良くないのかを改めて考えることは少ないのではないかと思います。
個人差はあるものの、「睡眠」は毎日必ず行っていることであり、人間の3大欲求のひとつと言われるため、あまり意識することはないでしょう。
ここで睡眠の重要性を知って、後述する良い睡眠をとるための行動につなげていきましょう。

・ 身体の疲労を回復する
・ 成長ホルモンが分泌される
・ 成人にとっては、細胞の修復やアンチエイジングになるホルモンを分泌する
・ 脳内の老廃物を取り除き、記憶を整理する
・ 免疫力が高まる
・ 自律神経のバランスを整える
・ 食欲をコントロールできる
・ 精神状態が安定する など

良い睡眠をとるための行動は?

私たちの生活習慣は、睡眠にも深く影響します。
また、起きた瞬間から私たちの行動は睡眠に関わると言われているので、できることからとり入れてみましょう。
また、これ以上睡眠時間を確保できないという方は、本当に自分でコントロールできる時間がないのか、自分の行動を見つめなおすのも必要です。
意外と寝る前にだらだらとスマホを見てしまうということもあります。
自分自身の行動を見つめなおす機会を持つことは大切なので、一緒に振り返ってみましょう。

・ 毎日できる限り同じ時間に起きる(平日と休日の睡眠時間の差は1~2時間までにする)
・ 朝起きた直後に、カーテンを開けて朝日を浴びる
・ 15~20分の昼寝をする(お昼休憩などで5~10分でも効果あり)
・ 夕方以降にカフェインの摂取を控える
・ 寝る90分前に入浴する
・ 寝る2時間前までに食事を済ませる
・ 寝る1時間前からスマホなどの通信機器を使わない
・ 適度な運動をする
・ 悩みごとや心配ごと、仕事のことなどを寝床に持ち込まない
・ 靴下を脱ぐ(入眠には手足から熱を逃がす必要あり)
・ リラックスできる曲を寝る前に聴く
・ 本を読む
・ カモミールティーを寝る前に飲む など

夏の快眠のために

・ 室温を27~28度程度になるようにエアコンを設定する(暑いのを我慢しない)
・ お腹まわりにはブランケットをかけるようにする
・ コットンや麻のパジャマを着る
・ 寝る前にコップ1杯の水を飲む など

上記すべてを実行するのは難しいですし、自分に合うもの、合わないものもあります。
寝る前のルーティンを作ってみるのが効果的です。
人間は規則をつくり習慣化することで、それを実行しないと逆に落ち着かないという思考になります。
良い睡眠をとるために必要な行動だと身体に教え込みましょう。
1日の3分の1を占める非常に長い時間が「睡眠」に必要な理由は、心身のさまざまな不調を整えるためです。
今より1、2時間も急に睡眠時間を増やすのは難しいですが、10分、20分でも多く確保してみる努力は必要です。
その価値は十分あるので、今の生活習慣をぜひ見直してみましょう。

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保健師 大島かよ

投稿者プロフィール

病棟・クリニックでの患者さんとの関わりの中で、「もっと早く治療開始できていれば」、「病気になる前に何かできないか?」と考えるように。その思いから次第に予防に興味を持ち、「働く世代」に対するアプローチがしたい!と、産業保健の世界へ飛び込みました。
現在産業保健師として数社訪問、健保で特定保健指導を担うフリーランスの保健師です。
自分の経験なども盛り込みながら、産業保健に関連する情報を発信していきます。
【取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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