ストレスチェック制度、効果的な活用はできていますか?

ストレスチェック制度、効果的な活用はできていますか?

2015年12月以降、50名以上の事業場で「1年に1回」実施が義務づけられたストレスチェック制度。
2022年度の実施についてこれから検討される企業さまも多いのではないでしょうか。
筆者は「産業保健新聞」の運営元ドクタートラストに所属し、さまざまな企業さまにご訪問しています。
担当者さまからお話を伺うと、ストレスチェック制度開始が「12月」だったことから、10~11月頃に実施する企業さまが圧倒的に多い印象です。
今年で7回目の実施になるストレスチェック制度ですが、制度が普及・定着しつつあるなかで、労働者のメンタルヘルスへの意識向上や、ストレスチェック結果の集団分析結果を活用した職場環境改善の実施につながったりと職場内のストレスに対する取り組みのきっかけとして大きく効果が出ている一方、まだまだ課題が山積みであることも明らかになってきています。
このようななか、2022年3月には厚生労働省が「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて」を公表しました。
今回は、本資料をもとにストレスチェック制度の現況や効果的な実施方法をご紹介します。

ストレスチェック制度の実施状況

厚生労働省が2021年8~9月に調査した結果、ストレスチェック制度開始初年度は4割にとどまっていた実施割合は年々増加傾向にあり、2020年度は全事業場のうち8割以上が実施していることがわかっています。
また、実施が「努力義務」である小規模事業場でも約4割の事業場が取り組んでいる一方、他の場所に同一経営の本所(本社・本店)や支所(支社・支店)を持たない「単独事業場」の実施割合は1割以下にとどまっています。

集団分析結果を用いた職場環境改善の取り組み

ストレスチェック制度の目的は、従業員のメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)に加えて、従業員のストレス状況の改善および働きやすい職場の実現を通じて生産性の向上にもつながるものであることにも留意し、事業経営の一環として、積極的に本制度の活用を進めていくことが望ましいとされています。
そのために、今多くの企業でも集団分析結果の活用に着目されるようになりつつあり、集団分析を実施する事業場の割合も増加傾向にあり、職場環境改善に取り組んでいる事業場は30%台後半で推移しています。

ストレスチェック制度にもPDCAが重要

また、ストレスチェック制度は、PDCAサイクルに沿って、組織的に取り組むことが重要だともいわれています。
そのなかでも特に、集団分析結果を活用した職場環境改善は、先ほど述べたストレスチェック制度の目的である「一次予防」を推進するための重要な手段でもあり、労働者のストレスの原因となる職場環境を継続的に改善していくための重要なステップです。

1)Plan:計画

ストレスチェック制度の実施にあたっては、衛生委員会や事業場の年間活動計画策定の場で、実施計画を策定するとともに、目的・方針・実施体制について話合い、事業者と労働者の間で合意形成が重要です。
その際、集団分析の実施や、分析方法、結果の活用方針についても検討するほか、職場環境改善を行うための体制整備や、具体的な実施方法を検討します。

2)Do:実行

実行フェーズ(Do)では、①ストレスチェックの実施、②高ストレス者への医師による面接指導、③就業上の措置の実施、④集団分析の実施、⑤報告(事業者向け、職場向け)、⑥職場環境改善、の6つの内容を解説します。
実行フェーズの各段階で、随時振り返りを行い、必要に応じて改善をする等、小さなPDCAサイクルを回していくことも必要です。

3)Check & Act:評価と改善

実施者は、ストレスチェックの実施・面接指導・集団分析・職場環境改善等の各プロセスを定期的にフォローアップし、その取組の効果を振り返りましょう。
上手くいった点を振り返ると同時に、課題を整理し、次回以降の活動にフィードバックしましょう。
振り返りのポイントの例は以下のとおりです。

◇実施体制(委託先)
◇ストレスチェック実施前の説明方法・研修
◇実施形態(Web 方式か質問紙方式か)
◇実施時期
◇調査項目
◇集団分析の分析単位
◇集団分析結果の開示範囲
◇職場環境改善の改善主体・改善方法 など

振り返りの結果、実施体制や方法、調査項目の変更など、受検する労働者に直接影響がある見直しを行う場合には、労働者の混乱を防ぐために変更事項やその理由等を丁寧に説明することも重要です。
集団分析結果の良い部署が実施していること、工夫していること、職場環境改善が上手くいった職場の事例など、好事例を収集し、他部署へ情報共有することも効果的です。

<参考>
厚生労働省「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて」

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