感染症は新型コロナだけじゃない!~6/1~6/7はHIV検査普及期間~

HIV、エイズとは

6月1日~7日はの1週間は「HIV検査普及週間」です。
今回はHIVについてわかりやすく解説するとともに、「HIV検査普及週間」に行われるイベントなどをご紹介します。

HIVとは

HIVとは「ヒト免疫不全ウイルス」のことです。
病原体から身体を守るのにとても重要な役割をする細胞に感染し、免疫力を低下させます。

エイズ(AIDS)とは

HIVに感染した結果、免疫に必要な細胞が体内から徐々に減り、普段は感染したとしても発症を抑えられるような病気を発症します。
この状態を、エイズ(後天性免疫不全症候群)と言います。
代表的な23の疾患が決められており、これらを発症するとエイズと診断されます。
混同されやすいですが、HIVはウイルスの名前、エイズは病気の名前です。

感染経路は?

主な感染経路は性的接触であり、他にも血液感染、母子感染があります。
HIVに感染すると、血液・精液・膣分泌液・母乳に多く含まれます。
しかし、唾液・涙・尿などには、他人に感染させるだけのウイルス量は含まれません。

「HIVは、聞いたことはあるけれど詳しくは知らない」「自分にはあまり身近ではない」という人が多いのではないでしょうか。
また、死に直結する病というイメージも根強く残っています。
しかし治療薬の開発が飛躍的に進み、早期に感染に気付き適切な治療を受ければ、免疫力を落とすことなく、通常の生活を送ることが可能となってきました。
エイズはもはや「死の病」ではないのです。

HIV検査普及期間とは

厚生労働省は2006年以降、毎年6月1日~7日の1週間を「HIV検査普及週間」と定めています。
「HIV検査普及週間」は、国や都道府県が利便性の高い場所や時間帯に配慮した検査を実施するなど、利用の機会を拡大するとともに、広く国民に対して検査・相談体制に係提供を含む普及啓発を行い、HIV検査の普及・浸透を図る機会とするものです。
「エイズ動向委員会」の2022年3月15日の発表によると、2021年の新規HIV感染者報告数は2020年の750件に対し、717件と減少、新規エイズ患者報告数も2020年の345件に対し306件と減少しました。
ただし「新型コロナウイルス感染症に伴う検査機会の減少等の影響で検査件数等が減少しており、無症状感染者が十分に把握できていない可能性に留意する必要がある」とも提言しています。
社会のHIVへの関心の低下が懸念されるなか、引き続き検査の重要性を訴え、体制の整備を図っていくことが重要です。

HIV検査普及週間のイベント

HIV検査普及週間には、厚生労働省や各自治体が普及啓発イベントを実施します。
以下では、主なイベントを2つご紹介します。

(1)検査普及週間・特別ライブを開催:「全世代で考える!レッドリボントークライブ2022」

HIV、エイズの正しい知識や検査の重要性を伝えるとともに、幅広い世代の人々に予防啓発のメッセージをニコニコ生放送、Twitterライブ、YouTubeライブにて配信します。
豪華出演者と楽しくわかりやすく学ぶことができます。

・日時:6月1日(水)20:00~22:00
・総合プロデュース/司会 :レモンさん(山本シュウ)
・出演:コンドームソムリエAi、清水あいり、しょご先生、谷あさこ、つるの剛士、喉押さえマン、ひろゆき、湯上響花、ryuchell、レモンさん(山本シュウ)など
※こちらの配信はどなたでも無料で視聴可能です。
※後日、一部動画をアーカイブ配信予定です。

(2)HIV(エイズ)無料即日検査

HIV検査を無料・匿名で受けることができます。
また、即日検査のため検査結果は当日知ることが可能です。
基本的に事前予約制のため、下記の携帯サイトより事前予約が必要となります。

※検査は事前予約優先、先着50名までです。
※当日、予約枠に空きがある場合、会場でも受付可能です。

・日時:6月4日(土) 受付17:00~18:30(予定)
・場所:chotCAST(大阪検査相談・啓発・支援センター)
・検査主体:公益財団法人エイズ予防財団(一般社団法人JHC委託)
〈携帯予約サイト〉
受付期間:6/4(土)14:59まで
URL:心斎橋サンサンサイト検査・相談室

こちらの2つ以外にも「レッドリボンライブ」では著名人のエイズ啓発に関するメッセージやコメント等を掲載したり、「エイズ予防情報ネット」では特設ページを開設し、全国の自治体で実施されるイベントや検査・相談の実施体制等について情報提供を行ったりしています。

今あなたができること

新型コロナウイルスが騒がれている昨今ですが、2年前にくらべると大分慣れも出てきて、危機感や恐怖が薄れてきているように感じます。
それは私たちが新型コロナウイルスがどういうものなのかを知り、どのようにすれば感染を予防することができるのかを身をもって経験してきたからではないでしょうか。
HIVが医学的に発見されてから40余年、人類は長らくHIVとともに生きてきました。
新型コロナウイルスにくらべ知識も経験も蓄積されています。しかし、未だに偏見もあり、聞いたことがあるが詳しくは知らない、死に至る病だと思っている方も少なくありません。
症状が出て初めて感染に気付く方が多いこの病気ですが、早期に発見し適切な治療を受ければ、長期療養が可能です。
自分の不安や怖さを解消するためにも「HIV検査普及期間」を機にまずは正しい知識を身に付けていきましょう。

<参考>
・ 政府広報オンライン「ストップエイズ! 今は「不治の特別な病」ではなく、コントロール可能な病気です。まずは早めに「HIV検査」を」
・ レッドリボンライブ
・ 厚生労働省エイズ動向委員会「令和2(2020)年エイズ発生動向年報(1月1日~12月31日)」
・ 厚生労働省「HIV/エイズ予防対策」
・ API-Net エイズ予防情報ネット「令和4年度「HIV検査普及週間」特設ページ」
・ 厚生労働省「「HIV検査相談体制の充実と活用に関する研究」班による全国のHIV・エイズ(AIDS)・性感染症の検査・相談窓口情報サイト」

<監修>
佐藤せな(株式会社ドクタートラスト 保健師)

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藤原ふじこ株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

前職は旅行業界で働いていました。異業種に来たことから、日々勉強、日々奮闘中です。
自分が学んでいくなかで興味を持ったことを中心に発信していきたいと思います。

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