コロナ禍で帰省できない!遠方に住む両親のケアと仕事の両立

コロナ禍で帰省できない!遠方に住む両親のケアと仕事の両立

新型コロナウイルスが世界を震撼させ始めてから、早3年目に入ろうとしています。
この間、ご両親のおられるご実家への帰省が叶わず、お過ごしの方も多いのではないでしょうか。

私は現在、高齢者のなんでも相談所である「地域包括支援センター」で保健師として働いています。
新型コロナウイルスが流行し始めてから、地域で暮らすお年寄りの様子が、どんどん変化してきていることを実感する毎日です。
地域包括支援センターにはさまざまなご相談が寄せられますが、その中でも今回は遠方にお住まいのご両親へのケアと仕事の両立方法のヒントをわかりやすく解説します。

日々の仕事のなかでどうやって見守る?~カギとなるのは早朝~

コロナ禍以前は定期的に帰省でき、顔を見て話も直接できていたけれど、現在は「感染させてしまうのではないか」という不安から、両親に会うのを控えておられる方が増えています。

まずは、直接会えなくても、時々ご自身の隙間時間を見つけて、お電話をしてみて、様子をうかがってみることをお勧めします。
「とはいっても親とは生活スタイルも違うし、仕事から帰ってから電話をかけようにも、夜遅くなってしまい『もう寝ているのではないだろうか?』と思ってかけづらい」、そんなお声も耳にします。

そこで、実際に電話でコミュニケーションをとる工夫として、早朝の電話での様子確認はどうでしょうか?
ご高齢の方には、朝早く起床し、活動を開始されている方が多くおられます。
早い方は5時ごろから起きておられる方も!
皆さまも朝は仕事の準備などでお忙しいでしょうが、朝起きてすぐの時間や出かける前、駅やバス停までの移動時間など少しの時間に2~3分でも良いので「おはよう。今日のこちらの天気は暖かいけど、そっちはどう?」、「今日は●●の日だね、何か予定はあるの?」、「週末、(お孫さんが)こんなことをしていたよ」といった日常の挨拶に一言添える程度の連絡をしてみませんか。

朝のリズム作りにもなり、また、子どもさんのお声を聴くことで「元気になる」、「気にかけてもらえることがうれしい」と張り合いになる高齢者の方も多くおられます。
毎日ではなく、週1回からでもご自身の生活スタイルに無理のないペースで構いません。

LINEやウェブカメラなどICT技術の活用も!

また実際にお会いになられたとき、ご両親のスマートフォンにLINEを設定されたり、お家にWEBカメラを設置されたりする方もおられます。
使い方を大きな白い紙に、マジックを使って大きな字で「このボタンを押す」など操作方法を簡単に書いて、カレンダーなどの横に貼ってすぐにわかるように工夫されている方も。

LINEであれば通話はもちろんのこと、文字を打ったり、お孫さんやお住まいの地域の景色や、食事内容などを写真に撮って送信することもできます。
「どんな食事を作って食べているの?」と子どもさんからLINEがきたことから普段の食事を写真で送られて、「少し栄養が足りないのではないか?」と心配された子どもさんが、レトルト食品や栄養補助食品を送ってくれたというお話もお聞きします。
普段からのやり取りで食事の変化から、親の体調の変化に気づくことにもつながります。
高齢者の方にとって、どんな形であれ、「家族の方とのつながりを感じることができる」のは、毎日の張り合いにもなり、生きる元気にもつながっています。

気になることが出てきたら「地域包括支援センター」を頼ろう

このように離れた両親とやり取りしているなかで少し気になることが出てきたときには、ご両親がお住まいになっている町の「地域包括支援センター」を調べてみてください。
市区町には必ず1ヶ所以上(大きな市町村であれば、各中学校の校区レベル単位で1ヶ所)「地域包括支援センター」が設置されています。
「ちょっと両親の様子が気になる」と相談してみることで、さまざまなサポートの仕方などのアイデアをもらえるでしょう。

もちろん、「入院をしているけれどそのあと一人暮らしが続けることができるだろうか?」、「お家に戻るにはどうしたら?」といった相談もできます。

また、ご両親にも「近くにこういう相談できるところがあるよ」と皆さまからお伝えいただくことで、相談への心理的ハードルが下がり、スムーズなサポートを受け始めるきっかけづくりになります。
最近は「遠くで様子を見に行くことができないけれど、様子が気になるので(地域包括支援センターのスタッフで)見に行って話をしてもらえないか?」というご相談も寄せられるようになりました。

ほとんどの包括支援センターで土曜日(場所によっては日曜日)も電話等の相談業務は継続されていることが多いので、お休みの日やお仕事の休憩時間などに電話での相談などをしてみることも1つです。
子どもとしては、親が住んでいる場所の近くに話し相手がいたり、困ったときに相談ができて、必要な手続きなどのサポートをしてくれる人がいれば、お互いが安心して暮らし続けることができますね。

まずは、普段の両親とのコミュニケーションの方法で「どんな形で見守ることができるのか」、「どんなことをご両親が望まれているのか?」など、話すきっかけとして、連絡を取ることから始めてみませんか?

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IKAZAKI MIZUKA保健師

投稿者プロフィール

看護師として病院勤務後、人工肛門ケアの認定看護師資格取得のため、アメリカ・クリーブランドクリニックに留学。帰国後、専門外来、市町村の保健師として母子保健を担当したのち、介護離職を経験する。復職後は、子育てをしながら、産業保健師として働く世代の方へ保健指導を行う。また、介護と子育てのダブルケア経験を活かすため、在宅介護のスペシャリストである介護支援専門員の資格を取得。
現在は、「地域包括支援センター」で、介護予防のための健康づくり、ダブルケア、8050問題、認知症など地域で暮らす高齢者のあらゆる相談を受け付ける業務を保健師として担っている。

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