【体験談】ひとり親家庭で新型コロナ感染~「家庭内隔離」が不可能な状況で、食事以上に気がかりだったのは~

【体験談】ひとり親家庭で新型コロナ感染~「家庭内隔離」が不可能な状況で、食事以上に気がかりだったのは~

今回は、読者の方から寄せられた新型コロナ体験記をご紹介します。

私は都内に住む20代のシングルマザーです。
親族は地方に住んでいるため普段から3歳半の子どもと2人で暮らしています。
2022年1月末に新型コロナウイルスに感染し、子どもとともに自宅療養を経験しました。

子どもの発熱~元気いっぱいだったので「ただの風邪かな?」と思った~

始まりは保育園帰宅後のこと。
「子どもの身体が熱い!」と思い体温を測ると、38度でした。
本人は食欲があり機嫌もよく、またかかりつけの小児科が診療時間外だったことから、そのまま様子を見ることにしました。
翌朝、体温は37度台前半まで下がっており「普通の風邪だったのかな?」と思いましたが、38度を超える発熱は久しぶりだったため、念のために仕事、保育園は休み、かかりつけ医の発熱外来を予約しました。
爆発的に新型コロナウイルスの感染者数が増え続けている状況下では医療機関も混雑しており、予約が取れたのは翌日の枠。
ただ、子どもには発熱以外の症状がなく元気に過ごしていたため、安心して様子を見ていました。

ところがお昼を過ぎた頃、今度は私も少しだるさを感じ、体温を測ると37度台前半の微熱。
「子どもの風邪をもらったのだろう」と気楽に考えていましたが、これまで子どもの風邪がうつったときのことを思い起こしてみると、喉の痛みや鼻水といった症状のみで発熱までには至っておらず、違和感を覚えました。
そこで、私自身が医療機関を受診すべく、当日対応してもらえる発熱外来を探しました。
やがて体温は38度まで上がり、足や腰などの関節も痛みが出し、喋り続ける子どもの相手をすること、そして子どもを連れて病院へ行くことがとてもつらかったです。
病院では、抗原検査とPCR検査を受け、先に結果の判明した抗原検査でうっすらとした陽性ラインだったため、結局PCR検査の結果を待つことになりました。

帰宅後は39度まで体温が上昇し、起きていることも精一杯でしたが、横になっているわけにはいきません。
微熱があるとはいえ子どもは元気で、夕食の時間になれば「ママ、お腹すいた~!」といつもどおり空腹を訴えてくるため、せめて子どもの分だけでも……と食事の準備をしました。
その後のことはあまり覚えていませんが、とにかく早く眠る体制を整えるために、最低限の家事と子どもの世話を済ませることに必死でした。
夜中も関節痛で何度も目が覚めるような状況で、この日が一番苦しかったように思います。
翌日、「PCR検査の結果は陽性」の連絡が医療機関から入り、合わせて「先に発熱していたお子さんから感染したのではないか?」と言われました。
本来であればこの日、子どもの発熱外来を受診する予定でしたが、私が陽性となり外出できなくなったため、子どもはPCR検査を受けず、私と同じ期間を自宅療養することになりました。

家庭内隔離は不可能~「本当にこの過ごし方でいい?」不安の募る自宅療養~

幸いにも発熱は一晩のみで、以降は咳や頭痛、倦怠感、食欲不振といった症状が3~6日程度続きました。
特に長く続いたのは頭痛と倦怠感で、最初の頃は一日中症状が出ていましたが、徐々に回復していきました。
一方の子どもは微熱が1~2日続いたのみで、いつも通り元気な様子で過ごしていました。

家庭内で感染者がいる場合の注意点が厚生労働省から示されていますが、3歳児との生活では守ろうにも守れないものがたくさんあります。

厚生労働省「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」

特に難しいのは、個室での隔離、行動の制限です。
家庭内に感染者がいると、通常は部屋を分けて過ごしたり、一定の距離を保ったりしなければなりませんが、まだ3歳半の子どもには、生活のすべてを一人でこなすことはできません。
食事のタイミングをずらす、子どもが食べるものは手袋をして触る、入浴時以外はマスクを着用して接するなど、できる範囲で注意をしましたが、食事の準備や介助、トイレの付き添いに入浴、それに遊び相手や寝かしつけまでいつも通り過ごしました。
また、取っ手やドアノブ、電気スイッチなどの共用部分は私しか触らないため、消毒作業も神経質になりすぎないようにしたものの、「本当にこの過ごし方でいいのだろうか」と不安になりました。
軽症の場合、保健所からの連絡はすべてショートメールで届きます。
子どもの体温をこまめに測り、辛いところはないか何度も確認することで不安を取り除いていました。

食事以上に心配だったのは~子どものメンタル~

新型コロナウイルスに感染するまでは「もし感染したら、食事や子どものお世話をどうしようかな……」と心配していましたが、実際に感染したなかで一番気がかりだったのは「子どものメンタル」でした。
療養期間の初期は頭痛や倦怠感が強く、私だけ寝ていた時間もあり、「ママが寝ちゃって悲しかった、寂しかった」と言われ、心が痛みました。
「なんてダメな母親なんだろう……」と落ち込みながらも、起きた時には必ず「Rちゃんのおかげで、頭痛いのが楽になったよ!」「ママはRちゃんのことが大好きだからね!」と何度も伝えるようにしました。
また、私の体調が悪くて外に行けないと伝えていても「公園に行きたい! 自転車で遊びたい!」と言われることがありとても困りました。
そんな時は少しでも気分転換になればと、ベランダにレジャーシートを敷いて、昼食やおやつの時間を過ごすようにしました。
さらに、室内にこもって過ごす日が続くので、体力を消耗させるためにも、ジャングルジムやトランポリン、ボール遊びなど、身体を動かす遊びに誘導していました。

周囲の支えで乗り切った10日間~職場の同僚に感謝~

今までも子ども特有の感染症で熱を出し、数日にわたり外出できなかったことがありました。
そのときは、ネットスーパーで食材や日用品を調達、緊急で必要な物があるときは近所に住む会社の同僚に買い物をお願いしていました。
こうした経験を経ていたことから、今回も買い物に関して不安になることはなかったものの、周囲のさまざまな方から「食材や日用品で足りないものがあったら届けに行くよ! Rちゃんにもおもちゃがあるといいよね!」と連絡をもらえた時はとても嬉しく、心強さを感じました。

誰しもが療養期間中の生活に不安があると思いますが、ひとり親家庭では感染者が発生すると事前に想定できないことが数多く起こります。
また、相談できる相手(大人)がおらず、孤独感や追い詰められたような気持ちを抱きがちです。
そんななかで「足りないものがないか」、「困っていることはないか」と尋ねられるだけでも心底救われます。
身近にいるひとり親家庭の方が自宅療養することになった際には、ほんの一声で構いません、「何かできることある?」と尋ねてあげてください。

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産業保健新聞編集部株式会社ドクタートラスト

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