不妊治療の助成対象範囲が拡大!~助成金、回数が緩和されています~

2021年1月より不妊に悩む方への特定治療支援事業が拡充されました。
不妊治療の助成を受けられる対象が広がり、より多くの方が経済的負担を軽減できる可能性が出てきました。
今回は不妊治療の現状と助成内容をわかりやすく解説します。

不妊治療の現状~およそ16.7人に1人が生殖補助医療で生まれている~

現代の日本で実際に不妊の検査や治療を受けたことのある夫婦は夫婦全体の5.5組といわれており、上昇傾向にあります。
また、不妊治療の中でも生殖補助医療(体外受精や胚移植など)で誕生した子どもの数は、2017年には全出生児の6.0%あたり、約16.7人に1人が生殖補助医療で誕生しています。
不妊治療を受けられる人が増えている昨今、少しでも経済的負担を減らし不妊治療を受けやすくするために、2021年1月に不妊に悩む方への特定治療支援事業が拡充されました。

不妊治療助成の概要~支給額の増加~

不妊治療の助成事業「特定治療支援事業」の概要は以下の通りです。

① 要旨:不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費がかかる配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成する
② 対象治療法:体外受精および顕微授精(特定不妊治療)
③ 対象者:特定不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)。原則、法律婚の夫婦を対象とするが、生まれてくる子の福祉に配慮しながら、事実婚関係にある者も対象とする

2021年1月からは、所得制限、助成金支給額、助成回数が緩和されています。

<変更のポイント>
① 所得制限の撤廃
特定治療支援事業が拡充されるまでは、夫婦合算の所得が730万円未満の方を対象とされていました。
変更後は所得制限が撤廃され、共働きの夫婦も助成を受けられやすくなりました。
② 助成金支給額の増加
(1) 女性の不妊治療の場合
変更前は1回あたり上限15万円(初回のみ上限30万円)の助成額でしたが、変更後は1回あたり上限30万円に増加しました。
ただし、凍結胚移植(採卵を伴わないもの)および採卵したが卵が得られない等のため中止したものついては1回上限10万円です。
(2) 男性の不妊治療の場合
変更前は男性不妊治療(精子を精巣または精巣上体から採取するための手術)を行った場合は上限15万円の助成額でしたが、変更後は1回あたり上限30万円に増加しました。
③ 助成回数の増加
変更前は生涯で通算6回まででしたが、変更後は1子ごとに6回までと回数が増えました。
2子、3子と子どもがほしいご夫婦には朗報ですよ。
ただし、40歳以上43歳未満の方は1子ごとに3回までの助成です。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い特例が出ています。
先述された対象者、回数などが異なる場合があるので、お住いの市区町村にご確認しましょう。

さいごに~忘れてはいけない申請期限~

変更前にくらべて幾分か助成が受けやすくなったのではないでしょうか。
不妊治療は高額な医療費のかかる治療法です。
助成の申請方法や期限は市区町村により異なります。
申請期限を過ぎてしまい、助成金を受け取れなかったご夫婦を何組もおられます。
正しく助成を受けられるよう、ぜひお住いの市区町村に申請方法や期限を早めにご確認ください。

また、不妊に悩む夫婦の問い合わせ先として、各都道府県、指定都市、中核市が「不妊専門相談センター」を設置しています。
不妊に関する医学的・専門的な相談や不妊による心の悩みなどに医師・助産師などの専門家が相談に対応したり、診療機関ごとの不妊治療の実施状況などに関する状況提供を行ったりしています。

厚生労働省「不妊専門相談センター事業の概要」

<参考>
・厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業」
・厚生労働省「不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック」

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藤居 真央株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

看護師として働いていたころ、病気が原因で仕事を辞める患者さんと多く関わってきました。これらの経験から働いている方々に対する予防医学に興味をもち、産業保健師として働き始めました。
【保有資格】看護師、保健師、第一衛生管理者
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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