加速するマイクロマネジメントの弊害とは?

加速するマイクロマネジメントの弊害とは?

テレワークの普及が進む昨今、いかがお過ごしでしょうか。
自宅での勤務は、各個人の性格などの素因、業務の性質などによって相性があり、それらによって仕事ぶりも変わってくるかと思いますが、今回は「上司が部下の仕事を管理する方法」というひとつの要素について書きたいと思います。

マイクロマネジメントとは

マイクロマネジメントとは、読んで字のごとく「微細な管理」、つまり上司が過度に細かく部下を管理・統制してしまうことです。
一般的に部下の成長に対してネガティブな影響をもたらすとされています。

加えて、マイクロマネジメントという管理方法はテレワークと相性が悪く、部下の成長を阻害し、ひいてはハラスメントの原因にもなりつつあるのです。

ちなみに、マイクロマネジメントの逆、基本的な方向性のみを示して具体的な方法は部下に任せ、自主性を重んじモチベーションアップを狙うものをマクロマネジメントと呼びます。

テレワークによるマイクロマネジメントの増加

コロナ禍における変化のひとつとして、テレワークの普及が進み、ひとつ屋根の下で共に仕事をすることが減ったことが挙げられます。

その中で上司の方々が
「部下たちは自宅でちゃんと仕事をしているだろうか(疑心暗鬼)」
「仕事の進捗は上手くいっているだろうか(不安)」
「自分がいないことで何か困っているのではないだろうか(心配)」
と思われるのはごく自然な流れかと思います。

そういった感情から
「頻繁に(もしくは事細かに)“今何をしているのか”を聞く」
「仕事の進捗について必要以上に確認をする」
極端な例では、
「分単位で業務報告を義務付ける」
「社内チャットツールの返信は5分以内にするよう命ずる」
などの、一部行き過ぎたマイクロマネジメントの手法をとってしまうことが増えているようです。

マイクロマネジメントの弊害

実際に、マイクロマネジメントが部下に対して及ぼすネガティブな影響を見ていきましょう。

① 創意工夫や思考の低下

上司から次にやるべきことを事細かに指示されることで、自分の頭で考えることが減り、また、積極的に意見を述べることも減少します。

② 自尊心の低下

細かく進捗確認などをされることで「自分は半人前だから心配されていて、仕事において信頼をされていない」と感じ、自尊心の低下へとつながります。

③ 心身へのダメージ

頻繁な連絡や○分以内の返信義務など、テレワーク下の行き過ぎたマイクロマネジメントでは、お手洗いにいくことすら気を遣う例があるそうです。
過度に心配されることや報告を義務付けることがストレスの原因になるのは言うまでもありません。

ここまでご紹介した弊害があるとはいえ、テレワーク中は出社時と比べて、コミュニケーションが不足しがちになるのもまた確かです。
マイクロマネジメントになるかもしれない…とコミュニケーションを極端に減らすことも良くありません。

産業保健新聞では、社内コミュニケーションツールやそれらの活用ノウハウについても解説しています。
ぜひほかの記事もご参考ください。


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角屋 祐介株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

人事部門・経営管理部門・財務部門・営業部門での経験を活かし、最新の労働衛生のトピックについていち早く皆様にわかりやすくお届けいたします!
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