「ワークライフバランスガイド」を活用して仕事と子育て両立を目指そう!

「ワークライフバランスガイド」を活用して仕事と子育て両立を目指そう

2021年3月8日、イクメンプロジェクトにより、令和二年度版の「父親の仕事と育児両立読本」「イクメンのススメ」が発行されました。
「イクメン」という言葉の浸透や働き方改革などにより、以前と比較すると男性の育児・家事への参加は増えてきたように感じますが、どうやって取り組むべきなのか悩まれている方もいるのではないでしょうか。

今回はこの「父親の仕事と育児両立読本」についてご紹介します。

◆ 厚生労働省イクメンプロジェクト「父親の仕事と育児両立読本~ワーク・ライフ・バランス ガイド~(令和二年度版)」
◆ 厚生労働省イクメンプロジェクト「ミニリーフレット『イクメンのススメ』(A4版・令和二年度版)」

「父親の仕事と育児両立読本」の趣旨

2019年度の雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は7.48%ですが、育児休業の取得希望がありながら取得できなかった男性社員の割合が37.5%と高い数字になっています。

また、日本の男性が家事・育児をする時間は他の先進国と比較すると最低基準にあることもあり、政府は男性の育児休業取得率を2020年までに13%、2025年までに30%に上げることを目標に掲げています。

このハンドブックには、育児休業や両立支援などの制度を活用して、男性が仕事と育児を両立するためのヒントが取りまとめられています。
また、企業の人事労務担当者や相談窓口担当者においても、基礎知識が掲載されているため、社員相談時に活用したり、社員や管理職に対する研修用資料として利用が可能です。
「イクメンのススメ」というミニリーフレットもあります。

「父親の仕事と育児両立読本」ハンドブックの内容

61ページにわたり、育児休業などの制度のことから、妊娠期~子どもが小学生に上がるまでについて掲載されています。
大きく「わかる育休」「とる育休」「子育て書き込みノート」の3つのテーマに分かれています。
それぞれのテーマのポイントについてみていきましょう。

1.「わかる育休」

育児休業のメリットについて、先輩パパとママ・イクボス(部下の仕事と育児の両立を支援する管理職)の声が掲載されていて、男性社員における育児休業を取得するメリットについての理解が深まります。

先輩パパは「子どもの成長が楽しみで時間を大切にするため業務効率が向上した」
先輩ママは「育児と家事を夫婦で行ったため、妻の職場復帰がスムーズになった」
イクボスは「部下の育児休業をきっかけに業務の見える化が進んだ」
といったように感じているようです。

次に、育児休業制度の基礎知識についてQ&A方式で掲載されています。
産業保健新聞でも、男性の育休推進について取り上げてきました。

「父親の仕事と育児両立読本」でも、男性の育休推進について詳しく掲載されています。
なお、会社に制度がなくても「育児休業」は取得でき、会社が申し出を拒むことは禁止されています。

また、父親になる前の若い世代に対しても育児休業について検討できるように、家族や社会にとってのメリットについても書かれています。
育児休業を取得することで、夫婦ともに育児休業からの復帰がスムーズになったり、会社の誰もが休暇を取りやすいきっかけになったり、業務効率化や長時間労働の是正、働き方改革につながります。
社内で育児休業を取得しやすい風土づくりの一環にもなります。

男性が育児休業を取得することで心配なのは、周囲の理解が得られないことによる「男なのに育休とるの?」といった発言や、時短勤務などで周囲から「あなたが早く帰るせいで迷惑している」などのハラスメントを受けることではないでしょうか。
このハンドブックには、育児休業を取得することによる上記のようなハラスメントの例やハラスメントを受けたときの以下の具体的な対応についても掲載されています。

<もしハラスメントを受けたら、どうしたいいの?>(P16より)
・ はっきりと意思を伝えましょう
・ 会社の窓口に相談しましょう
・ 都道府県労働局に相談しましょう

ハラスメントを受け流すだけではなく、意思を伝える、しかるべき場所への相談が大切です。
また、事業主に対しては、上司・同僚からのハラスメントを防止するため、育児・介護休業法、男女雇用機会均等法により周知・啓発や相談体制の整備などが義務付けられていることも掲載されています。

2.「とる育休」

会社や職場で理解を得るための心得7箇条について掲載されています。(P26 )

~育児休業をとるために~
① 事前準備を整え、早めに上司に相談すべし
② 職場で「育児休業取得」を周知し、理解と協力を求めるべし
③ 人事部などに相談すべし
④ 周囲の支援は、普段の仕事ぶり次第と心得るべし

~育児休業が決まったら~
⑤ 業務を棚卸しし可視化すべし
⑥ 社内の関係部署に周知すべし
⑦ 顧客や取引先に連絡・周知すべし

日頃の周囲のコミュニケーション、社内への早めの相談、業務の可視化が大切なことがわかります。

その他に、育児休業取得の手続きと段取りの確認や利用できる制度、経済的支援についても掲載されています。
育児をする男性だけでなく、担当者においてもわかりやすく一覧になっているので、活用しやすくなっています。

また、子どもが生まれる前、生まれてすぐの知識に続いて、小学校に就学するまでにイメージや家計などについて考えることができます。
さらに、育児休業をとるタイミングと期間についてもチャート方式で6パターンが紹介されており(P32~33)、育児休業の取得する時期、タイミングで迷っている方には参考になるでしょう。

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3.「子育て書き込みノート」

最後のテーマでは、実際に自分の子の妊娠・出産スケジュールや休業、休暇についてのスケジュールをはじめ、勤務先の子育て支援制度について記載するページがあります。

記載することで、いつ頃どうなるか、何をすべきかシミュレーションができます。
書き込むことで育児・家事に何が必要かわかるだけでなく、子どもの成長の記録にもなっています。

子どもの成長や課題など、細かな具体的な情報が紹介されているので、当事者だけでなく、管理職や人事担当者、相談窓口担当者においても有益な情報になっているでしょう。

終わりに

「父親の仕事と育児両立読本」「イクメンのススメ」について解説しました。

実際に育児休業を取得する男性にとってはわかりやすい内容であり、参考できるものになっているのはもちろん、職場内では男性の仕事と家庭の両立やワークライフバランスを考えるきっかけにもなるでしょう。

やはりまず大切なのは、男性の育児や家事の参加に対する周囲の理解が大切です。
会社は育児休業取得のメリットについて理解したうえで、個人の仕事と家庭の両立を支援していきましょう。

社内ではコミュニケーションを活発にし、育児休業や休暇を取得しやすい風土づくり、誰もが「お互い様」で協力しあえる関係性を作っていきましょう!

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中森チカ株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

看護師として病棟勤務を経て、地域の保健師として高齢者の総合相談に携わりました。生活習慣病の予防や健康寿命の延長のためには病気になる前からの習慣づけが重要であると思い、現在は産業保健師として働いています。
今までの経験を活かして、わかりやすく、実践しやすい情報をお届けします。
【保有資格】看護師、保健師
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