今までのワクチンとは何が違う?COVID19ワクチンの最新情報

今までのワクチンとは何が違う?COVID19ワクチンの最新情報

アメリカやイギリス、中国、インドなど世界各国でCOVID19のワクチン接種が始まりました。
最初の感染が報告されてから約1年。
通常のワクチン開発の流れから考えると異例の速さでの実用化となりました。
ワクチンを望む声がある一方、副作用など安全性への不安を感じる方も多いと思います。
日本ではまだ接種が始まっておらず、一体いつどのように接種できるようになるのか、どんなワクチンを接種することになるのか、漠然とした部分が多いことも不安が増す要因のひとつでしょう。
今回は現時点でわかっているCOVID19ワクチンのことをまとめてみました。

日本での接種が想定されるのは3種類

2021年1月時点で、日本で使用される可能性が高いのは以下の3つです。

① ファイザー社(米)、ビオンテック社(独)ワクチン
② モデルナ社(米)ワクチン
③ アストラゼネカ社(英)ワクチン
※()内は開発拠点国

3種類とも開発拠点国ではそれぞれ承認され、すでに接種が始まっています。
日本では①のファイザーとビオンテック社が共同開発したワクチンが昨年12月に承認を申請しました。(まだ認可はおりていません)
②と③のワクチンも日本での治験が始まっていますが、承認申請には至っていない状況です。

今までとは違う新しいワクチン

今まで私たちが見聞きしたり接種したワクチンは、主に「生ワクチン」と「不活化ワクチン」に分けられます。
生ワクチンは毒性を弱めたウイルス等を使ったもので、BCGや水痘ワクチンなどがあります。
一方不活化ワクチンは死滅したウイルス等を使ったもので、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどがあります。
今回CIVID19ワクチンとして開発されたものは、「mRNA(メッセンジャーアールエヌエー)ワクチン」と「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれる種類のもので、「生ワクチン」とも「不活化ワクチン」とも違う新しいワクチンです。
先に挙げた3種類のCOVID19ワクチンでは、①、②がmRNAワクチン、③はウイルスベクターワクチンです。
mRNAワクチンは実用化が史上初めてで、ウイルスベクターワクチンもまだ2例目であるため(1例目はエボラウイルス)、COVID19のワクチンは最先端の技術を駆使したワクチンだと言えます。

日本での接種はいつどんなふうに行われる?

一般の人たちは早くても5月ごろ

現在わかっている範囲では、2月中に医療従事者から接種を開始したいと政府が発表しています。
①のワクチンも承認申請はされていますが、実際に認可が降りたわけではないので、まずは2月に承認、その後2〜3月に医療従事者、3月末ごろ〜高齢者などの優先接種となるでしょう。
これらの優先接種に該当しない方は早くても5月ごろになるのではないでしょうか。
また、日本では16歳未満には接種しない方針となりました。

保管問題にアナフィラキシー。今後の課題は…

すでに日本政府は国民に十分行き渡る量のワクチンの契約を各製薬会社と結んでいるので、ワクチンが足りなくなることはないと思いますが、広くワクチンを接種していくに当たってはまだまだ課題が山積みです。
ひとつは保管の問題で、日本で一番早く認可されると思われる①のワクチンは、ディープフリーザーという超低温の冷凍庫(−75℃±15℃)で保管しなければなりません。
これは一般的な医療機関にあるものではないため、接種会場となる場所にまずディープフリーザーを配備することから始まります。
また、ディープフリーザーはすべての医療機関に配備されるわけではないので、接種会場が限られてしまい、皆が接種できるようになるには時間がかかると思います。
ちなみに②のモデルナ社のワクチンは通常の冷凍庫の温度帯、③アストラゼネカ社のワクチンは冷蔵保管であり、保管は比較的簡単ですが、ワクチン自体がいつから供給されるかまだ見通しが立っていません。
その他の課題としては副作用の問題です。
ワクチン接種の副作用としてもっとも懸念されるのがアナフィラキシーと呼ばれる重度のアレルギー反応です。
血圧低下や呼吸困難を引き起こし、適切な対処がされないと死に至ることがあります。
アナフィラキシーは他のワクチンを接種した場合でも一定数起こり得ることで、CIVD19ワクチンだから起こるわけではありませんが、CDC(アメリカ疾病対策センター)の調査では、12月中に接種した人の中で100万人あたり11.1人。
インフルエンザワクチンの1.3人とくらべると多い数字となっています。
まだ統計の母数が少ないので、今後の数字にも目を向けていかなくてはなりませんが、日本人のすべてが初めて接種することになるワクチンなので、特にアナフィラキシーの発症に注意する必要があります。
ただ、具体的にできることは少なく、元々薬のアレルギーが多い人は医師と相談の上接種を見送ったり、接種会場での救急処置の体制を確保することなどで対応していくしかないかと思います。
どのようなワクチンでも、それによって多くの命が救われる一方で、副作用によるデメリット、また個々の体質や考え方の問題もあり、100%の人にとって有益であるとは言い切れません。
しかし、COVID19による問題が長期化する中で、ワクチンが一つの打開策になることに期待したいと思っています。
国民全体にワクチンが行き届くまではまだ数ヶ月単位での時間がかかるので、今は一人ひとりが基本的な感染対策を忘れず生活していきましょう。
ワクチン接種の順番がきて接種できたら、またレポートしたいと思います!

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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