「健康」って何?コロナ禍で健康への不安と向き合ってみよう

健康」って何?コロナ禍で健康への不安と向き合ってみよう

中華人民共和国で新型コロナウイルスの感染者が発生してから1年以上経過しました。
長期にわたる新型コロナウイルスとの戦いは、経済への打撃、さらに健康への不安を抱えていること自体が私たちの身体に悪影響を与えています。
たとえば、アメリカでは「テロリズムへの不安」を感じることと心疾患の発症との関連が報告されています。
健康に対する不安を抱え続け、その結果健康を損なってしまう……これでは本末転倒ですよね。
今回は、「健康」とは何か、今一度向き合い、コロナ禍でも、こころもからだも健康に過ごしていく方法についてお伝えします。

健康に不安を感じる日本人

厚生労働省が2014年に公表した「健康意識に関する調査」によると、普段の健康状況に「非常に健康だと思う」「健康な方だと思う」と答えた人は全体の7割。
日本人の半数以上が、自分を健康だと考えていることがわかります。
一方で、健康に関して何らかの不安を持っているかどうかについては、6割の人が「ある」と答えていました。
また、健康観を判断する際に重視した事項についての設問には6割の人が「病気がないこと」と答えており、次いで「美味しく飲食できること」「身体が丈夫なこと」と、身体面の回答が多くみられました。
しかし「不安や悩みがないこと」「幸せを感じること」「前向きに生きられること」「生きがいを感じること」などの精神面に関する回答は、約1割にとどまっていました。
セコム株式会社がコロナ禍の2020年6月に実施した「日本人の不安に関する意識調査」では、7割以上が「最近不安を感じている」と回答し、最も不安に感じることに「感染症の拡大」「老後の生活や年金」「健康」が挙げられています。
もちろん、コロナ禍により多くの人が健康や生活に不安を感じるのは当然です。
ですが、衛生環境や医療体制が整い、平均寿命や慢性疾患の罹患率など、世界的に見て日本は健康大国です。
このような中で、日本人が健康に対して不安に感じる理由は「身体が健康であるべきだ」という意識があるからではないでしょうか。

健康って何だろう

WHO憲章の「健康」の定義では、「健康とは、完全な 肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」とされています。
もちろん、肉体的、精神的、社会的、すべてが関連して健康は成り立ちますが、決して、「病気でない状態=健康」というわけではありません。
私たちは「健康であるべき」「健康とはこうあるべき」と考え、とらわれがちです。
そもそも、なぜ私たちは健康である必要があるのかと言えば、私たちの人生で幸せな時間をできるだけ多く過ごすためではないでしょうか。
健康というのは、それ自体が目的なのでなく、人生を自分らしく生きるために必要な要素の一つです。

コロナ禍での健康なこころの保ち方

コロナ禍でも、感染しないよう自分の健康状態に気をかけることに加え、新型コロナによる不安や焦りなどへのこころのケアも重要です。
不安や焦りはこころのSOSサインです。
こころが何か危険を感じているのでしょう。
不安や焦りといった感情から抜け出す第一歩は、どうしたらいいかの対処法や解決法を正しく知ることです。
以下では、解決方法のヒントを3つご紹介します。

定期健康診断を受診しましょう

新型コロナウイルスの重症化には、年齢や生活習慣病など要因がさまざま言われています。
そのような情報に焦ったり不安に感じすぎないためにも、自分の健康状態を知ることが、対処法や解決法を探すために重要です。
コロナ禍で健康診断も憚られるかもしれませんが、健康を保つためにも今こそ受けましょう。

感染予防対策をしっかりしよう

新型コロナの感染者数が増加し、「いつ自分がかかってもおかしくないのではないか」と不安に感じることもあるでしょう。
ただ、心配しすぎるあまり、家からまったく出ない、誰とも話さない、食事もまともに取らない、眠れないなどの状況になれば、こころの健康が保たれません。
マスクの着用と手洗い、手指消毒、3密の回避の基本をしっかり守って、心配しすぎから脱却しましょう。

正しい知識を身に着けよう

病気や健康への不安は、人皆それぞれ抱えています。
ですが、心身のささいな不調に対して、誤った解釈に基づいて、「自分は病気になったのではないか」と強く不安に感じていると、自分の身体に全集中を向けるあまり、さらに一層の不安を招き悪循環が生じます。
コロナ禍での不安が強い場合は、特に以下について、正しく情報を収集しておきましょう。

・ 新型コロナウイルスを疑う症状
・ 発熱の際の相談窓口
・ 会社での新型コロナウイルス感染発生時の対応の確認

参考動画

<参考>
・ 厚生労働省「健康意識に関する調査」
・ セコム株式会社「第9回日本人の不安に関する意識調査」

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原田 佑紀子株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院やクリニックで看護師として、さまざまな疾患をもつ働き盛りの年代の患者様を間近で看護させていただくなかで、からだとこころは密接に関係している、と強く実感しました。
「病気」に目を向けるだけではなく、病気になることで揺れ動くこころや生活を支え、健康に働くことをサポートする役割になりたいという思いから、産業保健師として活動しています。皆さんの「知りたい」最新の産業保健の情報を伝えられたらと思います!
【保有資格】看護師、保健師、人間ドック健診情報管理指導士、睡眠健康指導士上級
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