【体験記】もし家族が新型コロナウイルスに感染したら

新型コロナウイルス感染者が国内で累計20万人を超えた今、家族や友人、同僚が感染してしまったという人も増えてきているのではないでしょうか。
今回は、「産業保健新聞」読者の方から寄せられた「同居人が新型コロナウイルスに感染した体験」をご紹介します。

同居人が新型コロナウイルス感染症を発症

10月12日、その日私は同居人A(以下、A)と夕方に外で待ち合わせをしていました。
待ち合わせ場所でAと合流すると、開口一番「香水の匂いする?」と尋ねられます。
出かけに香水を振ったものの、鼻がうまく利かず加減がわからなくなり大量に振ってしまったとのことで、私の感覚からすると、明らかに過剰な量で強烈な匂いでした。
嗅覚の異常に加え、軽い咳も出るようです。
すぐさま医療機関を調べ、AにPCR検査を受けてもらいました。
新型コロナウイルスの検査結果は1~2日後に出るとのことでしたので、その日はまっすぐ帰宅しましたが、Aによれば、夕飯の味もあまりしないようで、どうやらクロの様子。
私は自分の職場に一部始終を報告し、検査結果が出るまで自宅待機することととなりました。
翌13日には検査結果の連絡はなく、引き続き自宅待機に。
Aの嗅覚・味覚の異常は進行しているようで、この日の夜には何を食べても味がしない状況にまで進んでいました。
ほかの症状としては軽い咳・倦怠感が出ていたものの発熱はなく、いわゆる“軽症者”に該当するようでした。

同居人の感染が発覚

10月14日、自宅で連絡を待っていると19時頃にクリニックより「検査結果は陽性」と連絡が入ります。
ある程度覚悟していたことではありましたが、A本人はやはりショックな様子で、しばらくはどうしていいかわからないようでした。
私は自分の職場にAの検査結果、および私自身が濃厚接触者に該当する旨を報告し、今後の動向については追って保健所から指示があると伝えました。
15日、午前中に管轄の保健所から電話連絡が入ります。
内容は「Aは軽症者のためおそらくホテルでの隔離療養となり、隔離先の確保・調整が完了したら再度連絡します」というものでした。
午後には追加の連絡があり、翌日から4泊5日隔離療養に入る旨、当日の送迎方法などが伝えられるとともに、私に対しても濃厚接触者としての自宅待機中の過ごし方について以下の指示がありました。

・ 外出は日用品・食料品の調達など、必要最低限に留めること
・ やむを得ず外出する際にはマスクの着用や帰宅後の手洗いうがいなど感染拡大防止策を徹底すること
・ 隔離開始次第、自宅内で手が触れる可能性のある場所をすべて除菌すること(洗剤を希釈する消毒液の作り方についても説明くださいました)
・ 毎日検温をすること
・ 私のPCR検査については追って保健所から指示があること(感染者との最終接触日から5日経過しないと検査が受けられないため)

また、勤務先では私の濃厚接触者に該当する従業員のPCR検査が即座に行われたようです(全員が陰性でした)。

同居人の隔離生活が始まる

10月16日朝、送迎車が来てくださりAはホテルへ。
隔離生活は10月21日まで続きます。
Aによれば、お手洗いも室内にあり、食事も届けられるので一歩も部屋を出ない生活だったとのことです。
また、隔離2日目には嗅覚・味覚が復活し始めていたようで、食事は問題なく取れていたようでした。
一方の私はというと、食事は自宅から100m圏内のコンビニで3食調達をしている状態です。
徒歩5分程度の距離にスーパーもありましたが、人が多く混んでいることがどうしても気掛かりで、自炊は一度もせず、ほとんど歩かない生活が続きました。

同居人の隔離生活が終了

10月21日、Aは症状が完治し後遺症等もなく、無事帰宅しました。
私は保健所より連絡があり、指定された時間に最寄りの医療機関でPCR検査を受けました。
予約制ということもあり、ほとんど待つことなく検査は完了し、結果については早ければ当日、遅くても2~3日程度で連絡があると伝えられます(陽性の場合は当日に連絡があるが、陰性の場合は緊急度が下がるため遅くなるようです)。
10月23日、昼頃に保健所から「陰性」との連絡が入りました。
なにひとつ自覚症状はありませんでしたが、無症状感染者の可能性もあるのでは……と思っていたため、この時の安堵感はよく覚えています。
10月26日、約2週間の自宅待機を終えて、私は職場復帰を果たしました。
会社の方々の反応は温かく、心ないことばを言われることもなく、安心しました。

どこか他人事であった新型コロナウイルス感染症、身近な人間が感染することでその前後で明らかに当事者意識が変わりました。
幸い症状が軽く後遺症もなかったものの、それでも味覚や嗅覚が奪われていくというのは、メンタル面に大きい影響を及ぼす恐ろしいものだと感じました。
また、この大変な状況下において前線で働かれている医療従事者の方や、ご丁寧に指示・対応をいただいた保健所の保健師・事務スタッフの方には感謝してもしきれません。

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産業保健新聞編集部株式会社ドクタートラスト

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