「副業・兼業労働者の健康診断助成金」が新設されました!

今年の健康診断はもう受けましたか?コロナの影響で例年より遅れて受けた人も多いかもしれません。
今年度より新しく「副業・兼業労働者の健康診断助成金」が始まりましたのでご紹介させていただきます。

助成金の概要

助成対象
・ 労働保険が適応される事業場に勤めていること
・ 2つ以上の事業者に雇用されている者であって、本業や副業を問わず雇用されている全ての事業場で「常時使用する労働者」に該当していないこと
・ 40歳未満であること

助成金額
令和2年4月1日~令和3年3月31日までに実施した健康診断の実費額
※ただし、1人あたり10,000円が上限で1事業場あたり100,000円まで

申請期間
令和2年5月29日~令和3年6月30日まで

健康診断にかかる費用は医療機関によって異なりますが、おおよそ5,000円~15,000円が相場ですので10,000円の補助がでるのは大変ありがたいですね。

現状3割は健康診断を受けていない

このような助成金が導入された背景として、近年、副業や兼業など働き方が多様化していく中で、それに対応するヘルスケアが課題となっていることがあげられます。

会社勤めをしていると毎年当たり前のように受ける健康診断ですが、労働基準法で定められている健康診断の対象はフルタイムで働く社員と、1年以上の契約で正社員の4分の3以上働くパート社員のみとなります。

2019年調査、過去1年間の健診・人間ドック受診状況は、69.6%(男 74.0%、女 65.6%)となっています。
3割もの人々は健診をうけていないのです。

また、年代別にみると最も低いのは30代女性の60.5%となっており、30代男性の77.9%と比べるとかなり差がついています。

副業・兼業が今後も進んでいく

副業・兼業をしている人はアンケートによると全体の9.7%、ただ本業の就業業態別でみると、正社員で副業している人は5.7%と少なくなっています。
しかし近年は、アサヒビールやみずほフィナンシャルグループ、ANAなどの大手企業も副業解禁となっており、今後もこの流れが進むことが予想されます。

そうなると、どうしても長時間労働になりがちになってしまうことが副業・兼業の懸念点としてあげられます。

通常の労働時間は、週40時間とすると1ヶ月約177時間となりますが、副業している人の総労働時間(本業+副業)は69.0%が200時間以上であり、その内280時間以上の人は43.5%もいます。
また、会社では総労働時間を把握できないため、自身で就業時間の管理や、健康管理を行う必要があります。

世界的にみても、日本の健診受診状況は低いと言われています。
さまざまな立場の人であっても気軽に健診が受けれるような助成金や制度が更に増えるとよいですね。

<参考>
・ 厚生労働省「第133回労働政策審議会安全衛生分科会(資料)」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

須田 友梨佳株式会社ドクタートラスト 大阪支店

投稿者プロフィール

大学卒業後に入社した会社では「働き方改革」が足かせとなり、残業できず苦しむ社員や余計に仕事が増えてしまうような状態をみてきました。働く人達が、健康に前向きに働くことができる職場環境を目指して、勉強し発信していきたいと思います。
【保有資格】健康経営アドバイザー
【ドクタートラストのサービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 衛生委員会等のオンライン開催についての通達が示されました

    【動画あり】もっと深く知りたい方必見!衛生委員会等のオンライン開催について詳しく説明します

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る