ワクチンの接種間隔が一部緩和。どんなメリットがあるの?

ワクチンの接種間隔が一部緩和されました!予防接種を受ける際のメリットは?

2020年10月1日、ロタウイルスワクチンが任意接種から定期接種に変更されたことに伴い、その他のワクチンの接種間隔も規定が一部変更されました。
大まかにいうと、異なる種類のワクチン接種に関して、注射生ワクチン同士を接種する場合は27日以上空けるというルールはそのままで、その他のワクチンの組み合わせについては、接種間隔に一律の日数制限は設けないことになったのです。
接種間隔が緩和されたことで、お子さんの予防接種のスケジュールが立てやすくなるということはもちろん、働く世代の皆さんの予防接種についてもメリットがあります。
今回は、ワクチンの接種間隔についての変更内容や、実際に予防接種を受ける際の注意点などをわかりやすく解説します。

異なるワクチン同士なら接種間隔の制限なしに

異なる種類のワクチン接種をする際のルール

注射生ワクチン同士の接種は27日以上空けるというルールのみ変わらず、それ以外のワクチンの組み合わせについては制限がなくなりました。

<9月30日まで>
・注射生ワクチン接種後 → 次のワクチン接種まで27日以上間隔を空ける
・経口生ワクチン接種後 → 次のワクチン接種まで27日以上間隔を空ける
・不活化ワクチン接種後 → 次のワクチン接種まで6日以上間隔を空ける
<10月1日から>
・注射生ワクチン接種後 → 次に注射生ワクチンを接種する場合は27日以上間隔を空ける(ここは変更なし)
・注射生ワクチン接種後 → 次に経口生・不活化ワクチンを接種する場合は接種間隔に制限なし
・経口生ワクチン接種後 → 次のワクチン接種まで接種間隔に制限なし
・不活化ワクチン接種後 → 次のワクチン接種まで接種間隔に制限なし

※ワクチンの種類

注射生ワクチン、経口生ワクチン、不活化ワクチンにはそれぞれ次が該当します。

・注射生ワクチン:麻疹風疹混合ワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチン、おたふくかぜワクチン など
・経口生ワクチン:ロタウイルスワクチン など
・不活化ワクチン:ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、4種混合ワクチン、日本脳炎ワクチン、季節性インフルエンザ など

同じ種類のワクチン接種を複数回受ける際のルールは変更なし

同じ種類のワクチン接種を複数回受ける場合、ワクチンごとに決められた間隔を守る必要があります。
この点は以前と変更はありません。

例:B型肝炎
1回目接種 →(27日以上空ける)→ 2回目接種 →(1回目から139日以上空ける)→3回目接種

こんな時に予防接種が受けやすくなる!

以下では、ワクチンの接種間隔が緩和されたことによる、働く人たちのメリットを具体例とともにご紹介します。

例1:麻疹風疹(MR)ワクチン後のインフルエンザワクチン

麻疹風疹(MR)ワクチンは注射生ワクチンですので、次のワクチン接種まで27日間空ける必要がありましたが、今は翌日からインフルエンザワクチンを接種することができます。
現在、風疹ワクチンの第5期接種(2019年4月~2022年3月)ということで、赤ちゃんの先天性風疹症候群を予防するために風疹対策が行われています。
対象年齢の男性(1962年4月~1979年3月生まれ)は、風疹抗体が陰性の場合は無料でワクチン接種を受けることができますので、対象となる方は要チェックです。

例2:海外渡航前の予防接種

海外赴任などで海外に長期間滞在する場合、渡航先の国の環境に応じて複数の予防接種を受ける場合があります。
たとえばインドに渡航する場合に推奨される予防接種として、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、日本脳炎、腸チフス、狂犬病などがあります。
このように多種類の予防接種を受けるスケジュールを立てるのはかなり複雑で長い期間がかかりますが、接種間隔が緩和されたことで、より短い期間で予防接種が受けられるようになるのではないでしょうか。

安全性はどうなの?

今回の接種間隔が変更となった背景として、乳児のロタウイルスワクチンの定期接種化があります。
乳幼児期は多種類の予防接種が必要なため、接種間隔の複雑化を緩和し確実に接種機会を確保するために、以前から接種間隔に関して対応が検討されてきました。
ロタウイルスワクチン(経口生ワクチン)や不活化ワクチンと、他のワクチンとの接種間隔が安全性に影響を及ぼしたという報告はなく、諸外国でも制限されていないことから、注射生ワクチン同士以外の接種間隔の制限がなくなりました。
安全性が確認されているので、日本独自のルールが撤廃され、諸外国と足並みをそろえた形になります。
最後に、今回接種間隔が緩和されましたが、接種から数日間は、発熱や接種部位が腫れるなどの症状が出ることもあります。
ルール上接種が可能な期間であっても、このような体調不良がないことを必ず確認してください。
かかりつけ医と相談しながら、安全に予防接種を受け、感染症から身を守りましょう。

<参考>
・ 厚生労働省「ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ」
・ 厚生労働省「風しんの追加的対策について」

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小阿瀬 有紀株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

行政や健診センターにて幅広い年代の方々と関わる中で、働く世代の健康づくりの難しさを痛感すると共にその重要さを感じ、現在は産業保健師として活動しています。
仕事で忙しくご自身の健康に目を向ける機会が少ないという方々にも、役立つような健康情報を分かりやすくお届けしてきたいと思います。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
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