バーベキューもダメ? 家庭内感染はどう防ぐ? 食事と感染について考えてみた

コロナ関連のニュースで目にするのが、食事の場を介した感染です。
友人や親族との食事会、接待を伴う飲食店など、飲食の場を介した場合に感染が広がりやすいというのは皆さん周知の事実だと思います。
ニューヨーク市では、飲食店はテイクアウトと屋外営業のみに制限しており、依然として店内飲食を禁止するなどの措置を講じています。
一般的に屋内の飲食店は十分な換気ができるとは言えず、さらにその場に人が集まり数時間滞在すると感染しやすい状況が発生します。
では、ニューヨーク市のように、換気された屋外での飲食なら良いかと思えば、時期的なものもあってか「バーベキュー」の集まりで感染が拡大したケースもみられます。
常に換気されている状態の屋外でなぜ感染拡大が起こったのか、これでは屋外の飲食もダメなのかと疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、改めて食事の際の注意点や感染拡大を防ぐ方法について考えてみます。

なぜ食事の場で感染しやすい?

食事の場を介して感染が拡大しやすいのはコロナ以前から言われていたことで、会食はもちろんですが、家庭内感染も食事の場を介して起こりやすくなります。
一般的に誰かと食事する場面を想定した場合、以下のような状況になることが多いと思います。

① テーブルを囲むように座る、もしくは向かいあって座る
② 食べる時は口を開ける、(当たり前ですが)マスク着用ができない
③ 食事しながらしゃべることが多い
④ 大皿の料理を箸でとりわけたり、誰かが食べた残りを食べることがある(特に家庭内)

食事というのは栄養をとるだけでなく、コミュニケーションの場でもあるため、「誰かと話をしながら食べる」のはとても自然なことです。
しかし、感染症の拡大を防ぐという観点では、この全ての状況がNGになってしまうのです。

屋外でのバーベキュー、換気は十分でも……

次に、換気ができる屋外のバーベキューを考えてみましょう。
換気は十分にできますし、人と人との距離も屋内よりは確保しやすいと思います。
しかし、バーベキューというのは、「焼く、作る」と「食べる」の2つの行為が何度も交錯します。
レストランや家庭の食事であれば、主に特定の人が作った物をそれぞれが食べますが、バーベキューでは何人もの人が「焼いたり食べたり」することになりますね。
また、普通は食事を作るときに大きな声で喋ることはありませんが、バーベキューでは作ったり焼いたりすることも楽しみのひとつであり、屋内にいるよりも大きな声で話しながら作ることがあると思います。
さらに、バーベキューでは立ったり座ったりを繰り返すので、自分の使っていたお皿やコップ、箸がどれかわからなくなってしまったという経験はありませんか?
このように、屋外のバーベキューは換気が十分であっても飛沫が食べ物に飛びやすく、使用する食器類を共有することが多くなるため、感染拡大が起こったのだと思います。
逆に、以下のような状況であれば、屋内やバーベキューよりも感染拡大のリスクは下がると言えるでしょう。

① 屋外で着席の食事
② 飲食物を共有しない
③ 向かい合って座らない

家庭内感染を防ぐカギも食事

我が家には子どもが3人いるので、インフルエンザのワクチンを打ってはいるものの、毎年誰かしらが感染してしまいます。
次女を出産し、退院した翌日に長男がインフルエンザということもあって本当にヒヤヒヤしました。
決して広いとは言えないマンション住まいなので、誰かがインフルエンザにかかるたび「広い一軒家なら隔離できるのに……」と思ってしまいますが、今のところ10年近く、家族から家族に移ったことがないのです。
もちろん親も含め全員がワクチン接種をしていることも大きいだろうと思いますが、気をつけていることが3つあります。

1つ目は感染者と一緒に食事をしないこと。
可哀想な気持ちもありますが、インフルエンザでお休みしている期間中は食卓とは別の場所でご飯を食べてもらっています。
個別の部屋がなかったとしても、同じ食卓を囲まずに食器をきちんと分けることが大切です。
前述の通り、食事中は飛沫が飛びやすく防ぎにくく、さらに食器や食事を共有することで唾液中に含まれたウイルスが人から人へと移りやすくなるためです。

2つ目は換気。
冬や夏はエアコンを使用しているためつい忘れがちですが、きちんと窓を開けて定期的に空気の入れ替えをすることが大切です。

3つ目は看病する人間を極力1人にすること。
子どもが熱を出したり具合の悪い時は、ただでさえ忙しく交代で看病したいなと思うのですが、やはり関わる人間の数が増えれば感染拡大のリスクが増えます。
父親と母親がいても、そのどちらかがメインで看病することにして、関わらないほうが家事をするなど分担方法を変えてみましょう。
こちらに関しては家庭の状況によってできること・できないことがあると思いますが、感染を防ぐ観点では、極力感染者と関わる人数を減らすことが大切です。

現在、会食などでの感染だけでなく家庭内での感染が増えてきています。
自宅療養となった場合、家庭という限られた空間の中で家族に移さないのは本当に難しいことだと思います。
先ほどの注意点3つを守ったとしても、やはり現時点でワクチンがなく免疫を持たない人が圧倒的に多い状況で感染を防ぐのは大変なことですが、改めて「食事の場」は感染を広めやすいということを忘れずに行動しましょう。

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田中 祥子

田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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