学校にも産業医は必要です

労働安全衛生法では事業者に産業医の選任、長時間労働者の面談等の義務を課していることは周知のとおりです。

Q:学校では、産業医選任の義務はあるのでしょうか?

A:50名を超える職員が勤務している学校では、選任義務があります!

このことは、文部科学省発行の、各都道府県教育委員会教育長、および各指定都市教育委員会教育長宛の文章にも明確に示されています(「公立学校等における労働安全衛生管理体制の整備について(通知)」(19ス学健第22号平成19年12月6日付))
学校保健安全法で、学校医をおくことが定められていますし、生徒の健康診断の実施等で必要となるため、学校医の存在は知られています。
また、近年、子どもの心の健康づくりに取り組むために、既存の学校医に精神科医を加える動きもみられます。

では、産業医については?

文部科学省の調べ(平成22年5月1日現在)では、公立学校における産業医の選任率は、次のとおりです。

・小学校:70.6%
・中学校:72.7%
・高等学校:98.5%

その他、衛生管理者の選任率、衛生委員会の設置率についても、ほぼ同様の数値の傾向が発表されています。
文部科学省の表記通知(19ス学健第22号平成19年12月6日付)からは、「50名以上の教職員を使用する事業場のうち、約40%の事業場で面接指導体制が未整備」との文言がみてとれます。
別の資料によると、平成22年においては、未選任の事業場は、全体の約20%まで減少はしているものの、万全の体制には至っていないのが現状です。

さらに、年間で公立学校の教職員の約1%が休職しており、(そのうち約6割がメンタル疾患)その対策として有効な手段の一つである産業医の活用は、法令順守という側面は当然のこと、教職員の心身の健康を確保するためにも早急な対応が求められています。
※産業医が選任されていない、衛生委員会が設置されていないなどは労働安全衛生法において違反であり、事業者が司法処分される可能性があります。
2009年には、長時間勤務の改善措置等を怠ったとして、事業者の管理義務違反を認めた判例もでています。
なお、常時50名未満の教職員が働く事業場においても、平成20年4月1日より衛生推進者の選任、医師による面接指導体制の整備が求められています。

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