新型コロナで揺れ動く情報~自分自身をファクトチェックしよう!~

みなさんこんにちは、精神保健福祉士の笹井です。
昨今の新型コロナ禍により、社会は大きく揺れ動いていますね。
感染症だけではなく、季節の変わり目、温かい日も多くなってきた今日この頃、体調など崩されていませんか?
健やかにお過ごしでしょうか?
さて、今日の産業保健新聞、お題は「新型コロナで揺れ動く情報~自分自身をファクトチェックしよう!~」です。

こんなこと耳にしませんでしたか?

新型コロナウィルスですが、新型と銘打たれるだけあって、臨床試験では有効性が認められるものはあるものの、抗ウィルス薬やワクチンなどは2020年3月時点でなく、罹患し肺炎を発症しても、対症療法しか打つ手がありません。
原因であるウィルスをやっつけるものがないのですから、罹患するかもしれないという恐怖が世界中を一気に取り巻きました。
不安が広まるとそれを解消しようとして、人々は対策を取ろうとします。
そこで現れるのは、デマです。
情報が溢れ、正しいものを取捨選択しなければならない、情報化社会において、正しい情報をつかむことは自分を守ることにつながります。
今回の新型コロナウィルスに対する予防法で、「んなアホな」と思われる対処法がありますのでご紹介いたします。

① 新型コロナウイルスは耐熱性がなく、26~27度の温度で死ぬため、より多くのお湯を飲むと良い

冷静に考えてみてください。
熱を測ったことがない人はいないと思いますが、人間の体温は36度前後です。
これでは、生きているだけで新型コロナウイルスにかからないことになります。
より多くのお湯を摂取することで、逆に体液の電解質が薄くなり、体調不良を引き起こします。

② 新型コロナウイルス感染の予防にニンニクが効く

チュニジアで流れたデマです。
ニンニクが効くとするならば、ニンニクをたくさん消費している国では感染者が少なくなるはずですが、世界で一人当たりのニンニクを最も消費しているのは、中国です。
次いでは韓国。
ご存知の通り、新型コロナウイルスが発見されたのは、中国であり、韓国ではパンデミックとなりました。
まず食べ物で治るなら、こんなに大騒ぎしませんよね。
これらの情報はなぜ人々に信じられたのでしょうか?
それは、ちょっとした心理学的な要素が働いているからです。

信じてしまう噂

「テレビでドクターが話していたんだけど……」
「何かのニュースにかいてあったんだけど……」
「どこかの大学教授が言っていたんだけど……」

よく耳にする枕詞ではないでしょうか。
多くの噂は、信頼のおけるもっともらしい人からの情報であるとして語られます。
威光効果、またはハロー効果とも呼ばれるもので、評価を行う際、ある特定の事態や特徴に引きずられて他の評価が歪められる現象のことをいいます。
また、不安であると人は暗示にかかりやすくなります。
人は原因不明なものに対して恐怖を感じるので、原因を特定し意味づけをして、精神を安定させようとするのです。
昔の人は、地震が起きるのは、地殻変動によってプレートがずれて起こるわけではなく、大ナマズ動いて起こしていると考えました。
今回、新型コロナウイルスは我々にとっては未知のものであったため、不安に感じた我々は大ナマズを信じてしまったのです。

わからない。どうしたらいいの?

新型コロナウィルスに関しては、感染症の専門家でもない限り、対処法や予防法などわかろうはずもありません。
そのため、不安になるのは誰しも同じですし、ごく自然な人間であることの表れです。
ならばどうすれば、良いのでしょう?
それは、正しいであろう機関の言説を選択することと、常にファクトチェックを行うことです。
言説を選択することと信頼することは違います。
正しいであろう機関は人の集まりに過ぎません。
人は試行錯誤しながら進化する生物なので、間違うことも往々にしてあるのです。
その昔、瀉血と呼ばれる治療法がありましたが、これは病になった人の血をわざと体外に出して、良い血を作らせようとするものでした。
どんな病気にも良いとされた時代もあり、瀉血によって傷から感染を起こし死んでしまう人も多くいました。
瀉血を行なっていたのは権威のある医師達でした。
現在の常識では非常識なことも、当時は常識だったのです。
無理に疑う必要はありませんが、新しいことについては、色々な情報を得ることが必要です。
東日本の震災の際も色々なデマが流れ、人々の不安をあおりました。
今回の新型コロナウィルスでも、その教訓をいかすべきです。

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笹井裕介

笹井裕介産業保健部 看護師・精神保健福祉士

投稿者プロフィール

精神科クリニックにて、患者の相談援助を行う精神保健福祉士として勤務。その後、知識を拡げたいと思い看護学校に入学し看護師免許を取得したのち、総合内科、呼吸器内科で勤務しました。多くの患者さんたちにかかわってきたからこそ、病気になる怖さを知っているつもりです。健康に働く人を増やせるように、自分が持っている知識を提供できればと思います。
【保有資格】看護師、精神保健福祉士
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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