マスクより、優先すべきは手洗いうがい!~マスク品切れも怖くない~

マスクより優先すべきは手洗いうがい!~マスク品切れも怖くない~

新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大しつつあります。
皆さんも予防に取り組まれていると思いますが、最近はマスク品切れが続いていますね。
ご安心ください、感染予防において優先すべきはマスクよりも、正しい手洗いうがいです!
それというのも、残念ながらマスクでは新型コロナウイルスの通過を直接防ぐことはできないためです。
新型コロナウイルスの直径は0.1マイクロメートルと非常に小さく、それに対してマスクは「N95マスク」と呼ばれる防じんマスクですら、0.3マイクロメートルよりも大きい粒子しか防ぐことができません。
ただ、マスクを着用することで、間接的に感染を予防する効果があります。
今回は感染予防においてマスクよりも優先すべき手洗い、うがいの正しい予防行動をお伝えします。
職場やご家庭でもぜひ共有してください。

ウイルス感染を防ぐ、マスクの正しい使い方は以下の記事を参照ください。

ウイルスの感染経路を断つために必要となるのは正しい手洗い、うがい、マスクの着用です。
また不要不急の人混みへの外出を避けることや通勤ラッシュを避けること、可能な限り手のひらや指先を使って公共の物に触れないこと(スイッチは指先でなく指の関節で押す、ドアは肘で開けるなど)も必要です。

正しい手洗いの方法

手洗いの効果

接触感染を断つために最も効果の高い方法です。
アルコールの手指消毒と組み合わせると効果は高くなりますが、用意できない場合は水とハンドソープだけでも充分です。
正しい手順で丁寧に行うようにしましょう。
手洗いによってウイルスはここまで減らすことが可能です。

手洗いの方法残存ウイルス数
手洗いなし約100万個
流水で15秒手洗い約1万個
ハンドソープで60秒もみ洗い後
流水で15秒すすぎ
数十個
ハンドープで10秒もみ洗い後
流水で15秒すすぎを2回繰り返す
数個

手洗いと手指消毒のタイミング

① 外出から帰ったとき
② 電車や公共の施設など人混みに行ったあとや公共の物に触れたあと
③ 飲食の前(間食も含む)
④ トイレのあと
⑤ 不潔なもの(ゴミや汚物など)に触れたあと
⑥ 生肉・生魚・卵に触れたあと
⑦ 咳やくしゃみをしたあと
⑧ 咳やくしゃみをしている人に接したあと
⑨ 動物に触れたあと
⑩ マスクの着用前・着用後

手洗い前の確認

① 爪を短く切りそろえる
爪の間に菌やウイルスは入り込みやすいです。
手洗いで除去するのが難しい箇所でもありますので、爪はしっかり切りましょう。

② 指輪やブレスレット、腕時計は外してから手洗いをする
アクセサリー類の間にも菌やウイルスは入り込みやすいです。
隅々までしっかりと洗うために、アクセサリーはすべて外しましょう。

③ 手洗い後にも触れるスマートフォンなどをアルコール消毒しておく
外で使用したスマートフォンやパソコンなどを自宅でも触れる場合、手洗いの意味がなくなってしまいます。
あらかじめアルコールで消毒しておきましょう。

手洗いに用いるもの

① ハンドソープ
固形タイプよりも液体タイプや泡タイプが洗いやすくておすすめです。
最近は手でプッシュしなくても手をかざすと自動で泡が出てくる石鹸もありますので、活用するとよりよいでしょう。

② 爪用ブラシ
汚れを落としきるのが難しい爪は爪用のブラシを用いて洗いましょう。

③ 清潔なペーパータオル
ハンカチやタオルよりも、都度使い捨てが可能なペーパータオルのほうが衛生的です。

④ アルコール入りの手指消毒剤
手指消毒剤は使用期限があります。
使用期限切れの手指消毒剤を使用しても逆効果になることがあるので、気を付けましょう。

正しい手洗いの手順

① 爪は短く切りそろえておき、アクセサリーや腕時計を外し、袖を肘の上まで捲り上げる。
外で使用し、自宅でも触るスマートフォン等は手洗い前にアルコール消毒しておく。
② 流水で手をよくすすぐ
③ ハンドソープを手に取る
この際容器のプッシュ部が不潔になりやすいので、手のひらではなく手首で押すか、手をかざすと自動でハンドドープが出てくるタイプのものを使うのがおすすめです。
④ 手のひら、指の腹を洗う(指の先の方までしっかりと)
⑤ 手の甲、指の甲を洗う(指の先の方までしっかりと)
⑥ 指の間を洗う
手のひらと手のひらを重ね合わせて洗うだけの方が多いですが、指の間の汚れは手のひら側だけでなく、手の甲側にも付いているので、手の甲と手のひらを重ね合わせた形でも洗うようにしましょう。
⑦ 親指と親指の付け根のふくらんだところを洗う
忘れられがちな親指も、反対側の手のひらでくるむようにしてしっかりと洗いましょう。
⑧ 小指の外側を洗う
ここも忘れられがちなので、しっかりと洗いましょう。
⑨ 指先・爪先を洗う
汚れがたまりやすく、洗い残しも多い箇所なので、ブラシを用いて爪先、爪の付け根までしっかりと汚れを落としましょう。
ブラシがないときは手のひらに爪を立てるようにして爪先の間を洗うほか、爪の付け根まで反対側の指でごしごし洗うとよいでしょう。
⑩ 手首を洗う
できるだけ肘の近くまで、内側、側面、外側と腕回りを一周網羅できるように洗います。
⑪ 流水でハンドソープをしっかりと洗い流す
このときせっかく洗った指先に汚れた水が流れていかないよう、可能であれば指先を上に向け、肘側に水が流れていくように洗うとベスト!
⑫ ③~⑪をもう一度繰り返す
⑬ ペーパータオルで完全に水分を除去する
⑭ アルコール入りの手指消毒剤で消毒する
手のひらにとったらまずは指先を消毒剤に漬け込むようにするか、指先に揉みこむようにして爪の周りを消毒し、その後手のひら、手の甲、指の間、親指、小指の外側、手首、と手洗いと同じ順番で、消毒剤が乾くまでよく擦りこむ!

スマートフォンの消毒は、行っていない人も多いと思います。
せっかく清潔な手になったのに、消毒されていないスマートフォンを触っては元も子もありません…!

正しいうがいの方法

うがいの効果

ウイルスは鼻、口、喉の粘膜から感染することが多いです。
粘膜にウイルスが付着すると数十分という短い時間のうちに感染してしまいますので、感染する前に粘膜に付着したウイルスを追い出す必要があります。
そのために有効なのがうがいです。
また外出中などでうがいを頻回にできない場合は、20分おきに水やお茶を一口飲んで口や喉の粘膜に付着したウイルスを胃に流し込んで死滅させてしまうという方法がおすすめです。
水分をとることで粘膜を加湿でき、ウイルスを追い出す力が高くなります。

うがいのタイミング

外出中は20~30分に一度行うのが理想です。
そのほか、下記のようなタイミングでも実施するようにしましょう。

① 外出から帰ったあと
② 電車や公共の施設など人混みに行ったあと
③ 食事の前後(間食も含む)

うがいに用いるもの

① 清潔なコップ
うがいに使うコップが汚れていたのでは意味がありません。

④  水・緑茶・無糖の紅茶・うがい薬など
緑茶やうがい薬がなくても、水のみで充分な効果が得られます。
うがい薬を用いる際はアレルギーがないかを必ず確認してください。

うがいの手順

① まずはしっかりと手洗い
② 強めのブクブクうがいで口の中をゆすぐ
先にガラガラうがいをすると口の中に残っていたウイルスや食べかすなどの不潔なものを喉に流し込んでしまうことになるので、必ずブクブクうがいからやりましょう。
③ 最低3回、15秒のガラガラうがいをする
喉の奥まで水が入るように意識しながらおこないましょう。
「オー」と声を出し、喉を震わせながらおこなうことも効果的です。

感染防止に重要なのは、基本の予防!

新型コロナウイルスの感染を防ぐためには、ただなんとなく手洗い、うがい、マスク着用をしているだけでは不充分だということをおわかりいただけたと思います。
しかし基本のウイルス対策さえ徹底できれば、予防できる可能性は高まります!
焦らず、正しい予防行動をこころがけましょう。

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北原梨英株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学を卒業後、保健師として活動するほか、健康経営エキスパートアドバイザーとしてさまざまな企業様の健康経営を支援してきました。現在はセミナーのご依頼が最も多く、得意とする女性の健康増進と活躍推進をはじめ、多くのテーマでお話をしております。「従業員に長く健康に働き続けてほしい」「健康経営に取り組みたい」「健康経営優良法人の認定を目指したい」などお悩みがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。どのようなご状況の企業様にも親身に寄り添って、今すぐできることからご提案し、一緒に取り組んでいくことをお約束いたします。
【保有資格】保健師、健康経営エキスパートアドバイザー、看護師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
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