より良い労働環境を求めて

新学期、新入学、新社会人。
新しい生活に心を躍らせる季節となりました。
特に社会人としてのデビューは受身であった学生から、自ら考えて行動するスタイルへの変革期です。
自分の希望した会社に入れた人もそうでなかった人も、4月からは社会人として責任を持った立ち居振る舞いを求められます。
ちょうど今から2年前に、先輩社員への心得を投げかけています。
ご参考にしてください。

参考記事:「新入社員がやってくる! 先輩社員はこう心得よ。」(産業保健新聞)

さて、1年を振り返って、あなたの会社の新人、そして先輩方はいかがでしたか?
また、さらに1年経って、新入社員の側はどう成長したでしょうか?

仕事を覚えるのに必死な1年

初めの頃は何もわからず、1年かけて仕事を覚え、一通りの流れを何となく把握し、電話やメールの対応にも慣れてきた……。
自信がついたというよりも、危なげなくなんとか乗り越えられるようになってきた……。
先輩に相談することもまだまだたくさんあり、「1年乗り切った」、そんな時期ではないでしょうか。

見直しながら進める2年目

新たに任せられる業務や、1人で担当する内容も増え、「自分で考えて仕事を組み立てる」時期。
教わったことに忠実に、かつ、すべてを先輩に聴くのではなく、判断に迷う事は相談しながらも「自分の業務の進め方」のスキルアップを目指していく新しい1年となります。

魔の3年目

3年目はすでに自分の仕事の進め方があり、良くも悪くも個性が浮き出てくるでしょう。
真面目で忠実に仕事をコツコツと積み重ねる人もいれば、人当たりは良いが仕事がアバウトな人。
これは持ち前の性格なので、仕事で変えることはできませんが(性格が仕事の仕方に影響を与えているため)、この頃には「会社がその人をどう扱うか」が定まっており、” 会社の意に沿うような役割 “ が割り振られているでしょう。

先輩社員の動向を見極める

先輩の背中を一生懸命に追い続けている後輩としては少々酷かもしれませんが、
厚生労働省「新規学卒就職者の在職期間別離職状況」によると、大学卒業後3年以内の離職率は3割と、依然として高い傾向にあります。

さて、あなたの勤務先には、この1年間に離職者はいましたか?

結婚、出産、配偶者の海外赴任への帯同、田舎の家業を継ぐ必要が出てきた・・・など、必要に迫られて会社を去る人がいるでしょう。
しかし、会社への不満が原因で退職・転職したという人が多い場合は要注意です。

厚生労働省「平成28年雇用動向調査」によると、1年間における全体の離職率は15.0%となっています。
世の中には離職者が年間通じて0人という企業もあるなか、あなたの勤務先はいかがでしょうか?

企業規模(総社員数)に対して1年間の退職者数が異常に多い場合、その理由についても少し考えて見ましょう。
そして、マイナスな理由の退職者が多い場合は、同じ「マイナスな理由による退職者の1人」にならないように、“ 労働者側が会社を変える力を持つ ” ことも考えてみてはいかがでしょうか。

<参考>
・ 厚生労働省「新規学卒就職者の在職期間別離職状況」(PDF)
・ 厚生労働省「平成28年雇用動向調査」

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山口紗英株式会社ドクタートラスト 精神保健福祉士

投稿者プロフィール

メンタルクリニックでのカウンセリング従事の後、「働く人」を理解すべく一般企業にて勤務。その後ドクタートラストに入社。
自然成長は望めない時代だからこそ、「個」と「組織」の両面に、健康という手段をもってアプローチすること大切だと思っています。知識ではなく、明日から職場で使える「スキル」を発信し、働くことが楽しいと思える社会の構築を各現場から作っていけたらと思います。
【保有資格】精神保健福祉、産業カウンセラー、第二種衛生管理者、健康経営アドバイザー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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