寒い季節のメンタルヘルス

うつ病は広く認知されるようになりましたが、うつ症状にも、季節性のものがあることはあまり知られていません。
季節性の症状というと、一般的には身体症状(花粉症等)を思い浮かべると思いますが、実はメンタルも季節に大きく影響を受けるのです。
季節が変わるということは、気温や気候、湿度や気圧、日照時間等が変わるということです。
私たちを取り巻く外的要因の変化は、私たちの自律神経に影響を及ぼし、それらの変化に適応するため少なからずストレスはかかっているのです。
実は季節がメンタルに及ぼす影響は、良い影響以上に、悪い影響の方が多いといわれたりもするほどです。

冬季うつ病

秋から冬にかけての季節の変化時の症状として、冬季うつ病というものがあります。
冬季うつ病は季節性感情障害に分類され、日照時間が短くなる秋から冬にうつ症状が始まり、春頃には寛解するといったものです。
冬季うつ病の原因は「日照量不足」であることが分かっています。
男女比でいうと、女性が男性の約4倍で、圧倒的に女性が多くなると言われています。
冬季うつ病は日本ではまだあまり知られていませんが、ヨーロッパでは認知度も高く、公共施設に、治療としての高度照射器(日照量不足を補う)が置かれていることもある程です。

冬季うつ病の特徴

ひとつ気をつけていただきたいのが、「冬季うつ病」という名前ですが、症状がうつ病とまったく同じというわけではありません。
一般的なうつ病にはない冬季うつ病の特徴が下記の3点です。
①過眠
一般的にうつ病は不眠傾向となりますが、冬季うつ病の場合は、たとえば10時間以上眠っても寝足りないと感じてしまいます。

②過食
一般的にうつ病は食欲減退傾向にありますが、冬季うつ病は過食傾向が特徴で、特に炭水化物や甘いものが食べたくなります。

③毎年同じ時期に症状が出る

過眠や過食というと、「冬眠」を想起させますよね。
自律神経により、人は季節が変わっても、生活を変えなくていいように体を調整しますが、その調整がうまくいかない場合は、やはり動物のように「冬眠」状態の症状が出てしまうのかもしれません。
もちろん気分の落ち込み等もありますので、一般的なうつ病と見分けがつきにくいです。
医師に診察してもらう時も、上で挙げた冬季うつ病の症状が見受けられる場合は、必ず伝えるようにしましょう。

日光はメンタル安定剤

なぜ日照量が短くなることで冬季うつ病になるのか…それは、日照量が減ることで、心のバランスを保つセロトニンの生成が減少するからです。
そしてセロトニンによって作られるメラトニン(睡眠ホルモン)も低下します。
これらにより冬季うつ病の症状が出てくるのです。
どんなに文明が進歩しても、人の心身は自然に影響を受けながら生きています。
しかし、それらに適応する力を人は備えているので、まずはその適応力を低下させないよう、日々の生活リズムを整えることが大切です。
寒い冬は、どうしても外出が少なくなりがちです。
意識的に日光を浴びる生活を大切にしていきましょう。
辛い症状なしに季節を楽しめようになるといいですよね。

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精神保健福祉士 須田株式会社ドクタートラスト 精神保健福祉士

投稿者プロフィール

メンタルクリニックでのカウンセリング従事の後、「働く人」を理解すべく一般企業にて勤務。その後ドクタートラストに入社。
自然成長は望めない時代だからこそ、「個」と「組織」の両面に、健康という手段をもってアプローチすること大切だと思っています。知識ではなく、明日から職場で使える「スキル」を発信し、働くことが楽しいと思える社会の構築を各現場から作っていけたらと思います。
【保有資格】精神保健福祉、産業カウンセラー、第二種衛生管理者、健康経営アドバイザー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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