仕事と育児の両立に向けた制度の導入と活用 ~イクメン推進シンポジウム2019~

2019年11月18日、東京都千代田区の大手町プレイスカンファレンスセンターにて「イクメン推進シンポジウム2019」が開催されました(主催:厚生労働省イクメンプロジェクト事務局)。
少子高齢社会、核家族化が進む日本において、仕事と育児の両立はとても重要な課題です。
今回は、イクメン企業アワード2019両立支援部門にてグランプリを受賞した事例を中心にご紹介します。

若者の約8割が育休を取得したいと考えている

日本生産性本部の新入社員に対する調査によると、男性社員の約8割が「子どもが産まれた時には、育休を取得したい」と答えました。
しかし、女性の育児休業取得率は82.2%と高い値に対し、男性の取得率が6.16%となっています。
また、所得日数を見ても、女性は10ヵ月以上取得が1番多かった(69.7%)のに対して、男性は1ヵ月未満が多くを占めていました(81.0% ※内5日未満は36.3%)。

なぜこのようなギャップが生じるのでしょうか。
男性社員が育児休業を取得しなかった理由は以下の通りです。

① 業務が繁忙で職場の人手が不足している:38.5%
② 職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だ:33.7%

男性の育休取得を推進するためには、さらなる職場環境改善が必要とされているのが現状です。

<参考>
・ 厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査」
・ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング「平成29年度仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査」
・ (公財)日本生産性本部「新入社員 秋の意識調査」

他社事例のご紹介

今回、イクメン企業アワード2019両立支援部門にてグランプリを受賞した事例を見ていきたいと思います。

①従業員約5,100名の企業

・ 育児休職の最初の5営業日有給化・勤続年数への算入
・ 出産翌月のタイミングに男性社員とその上司に対して推進部門から制度周知と取得推進を実施
・ 男性の育児参画を推進する事の重要性をe-learningで全社員へ周知
・ 社内イントラネット上に、育児休職取得者とその上司のコメントを掲載し取得風土を醸成
・ 子育て中社員は子育て勤務・短時間勤務制度により勤務時間を10通りから選択可能
・ 男女ともに参加できる両立社員向け研修を開催(産休前セミナー、両立社員座談会など)
・ 育児中社員のうち希望者を対象に自宅常設用のシンクライアント端末を提供

②従業員約130名の企業

・ 従業員満足度調査の導入
・ 全社員に対して、社長と年1回、人事担当と年1回の面談を実施
・ 目安箱の設置
・ 育児短時間勤務制度の改定
(法律に則った「3歳まで」⇒「小学校を卒業するまで」に変更)
・ 小学校を卒業するまでの間、育児により制限された勤務時間分の賃金の50%を補填
・ 在宅勤務制度の導入
・ 育休セミナー、イクメン座談会などの実施

両立支援体制構築には職場環境基盤が必要

上記グランプリ受賞企業に共通していることは、育児休暇取得だけに注力している訳ではないという点です。
子どものいるいないにかかわらず、基盤として働き方改革を実践し、職場環境改善を行っていることが大切だと感じます。
社員の意見や思いを知ると同時に、子育てをしている人・していない人、どちらも働きやすい環境・勤務制度などを整えていきましょう。

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砂川菜美

砂川菜美株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

市の保健センターにて勤務後、現在は産業保健師として活動しています。
赤ちゃんからお年を召された方まで、幅広い年齢の方々の健康に携わってきた経験を活かし、それぞれのライフスタイルに寄り添った情報提供ができればと思います。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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