加熱式タバコで「なんちゃって禁煙」しているつもりになっていませんか?

加熱式タバコを吸う方が増えていますね。
最近では、紙タバコを吸う人より増えているのではないでしょうか?
灰も出ないし、灰皿不要。
タバコからモクモク煙が出ることもありません。
では、”紙タバコではない”加熱式タバコを吸うことは、禁煙といえるのでしょうか。

タバコの害はご存じのとおり

タバコがからだに悪いのは言わずもがな。
今更こちらで紹介する必要はないかもしれませんが、世界の肺がんの3分の2は喫煙が原因であり、咳や痰・息切れなどがおこる慢性閉塞性肺疾患も喫煙が原因となります。
また、健康だけの話ではありません。
スタンフォード大学の研究では、喫煙者は非喫煙者よりも稼げないという結果が出ています。
この研究では、喫煙者は非喫煙者にくらべ、時給500円分収入が低くなってしまったそうです。
1日8時間労働と換算すると、4,000円/日の差。
1ヶ月20日労働と換算すると、80,000円/月の差。
年収で考えると、960,000円の差が出るとも考えられます。
喫煙により、脳はダメージを受けるので、考えてみれば当たり前のことかもしれません。

辞めたいけど辞められない……その気持ちの行き場は加熱式タバコではない

さて、タバコは値上がりしているし、吸える場所は少なくなってきているし、喫煙者も肩身の狭い思いを強いられています。
2018年、有名串カツチェーン店が、ほぼ全店舗で全席禁煙としたことは記憶に新しいですよね。
結果として売り上げが上がったとの報道もあり、世間の風当たりもますます強くなっていることでしょう。

「そろそろ何か対策しないとな……」

そんな気持ちから、紙タバコから加熱式タバコへ変えた方もいらっしゃると思います。

「紙タバコよりは、加熱式タバコのほうがからだにいい」は本当?

フィリップモリスが「アイコスは紙タバコよりも、有害物質を90%低減されている」と発表しているのは有名ですよね。
また、JTが「プルーム・テックは紙タバコにくらべ、健康懸念物質99%低減されている」と説明しているのも同様です。
このことを鵜呑みにして、ご自身の罪悪感を減らしていませんか?

加熱式タバコの実態

アイコス、プルーム・テックにまつわる発表は自社研究での結果となっています。
第三者機関が行った研究ではありませんし、長期的な研究結果ではありません。
では、第三者機関が行った研究は、どういう結果なのでしょうか。
スイスのローザンヌ大学で行われた研究によれは、アイコスの煙には、紙タバコの煙と比較し、ニコチンは84%、アセトアルデヒドは22%、ホルムアルデヒドは74%含まれていました。
つまり、紙タバコにくらべて有害物質は減ってはいるものの、そこまで大きく減っているわけではないという見解です。

加熱式タバコの影響がどのようなものかを人柱として示していく

また、一言で「有害物質」とは言っても、従来の紙タバコよりも、加熱式タバコのほうが多く出るものに、プロピレングリコールがあります。
こういったものを高濃度に吸い続けた結果は、人間の歴史で誰も経験したことがないので、わからないとしか言えません。
今、加熱式タバコを吸ってくださっている方々の、結末を見るよりほかはないのです。

禁煙は簡単。結局は気持ち次第。

販売会社の「紙タバコよりもからだにいいですよ!」という主張をもとに、タバコに対する罪悪感を紛らわすのは、やめてみませんか?
今の時代、禁煙方法はたくさんあります。
条件が合えば、保険適用で禁煙治療が受けられます。
禁煙するかしないかは、気持ち次第ではないでしょうか。
とはいえ、私は無理に禁煙は勧めません。
吸う方がいなければ、真実を見つけるための研究が進まないのも事実です。
禁煙するかしないかを決めるのは、みなさんひとりひとりですので。

<追伸>
アイコスを使用している方は、仕様通りに定期的なクリーニングを行ってくださいね。
クリーニングが正しく行われていない場合、劇物に指摘されているグリコロニトリルが発生することが確認されています。

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