「疲れた」は体からのメッセージ!耳を傾けよう

梅雨から夏にかけてのこの季節は、天候の変化や湿気、暑さなどにより疲れが蓄積されやすい季節です。
疲労は、「痛み」や「発熱」と並んで、体の異常や危険を知らせてくれるサインのひとつですが、痛みや発熱とくらべて客観的にわかりにくいため、見過ごされてしまいがちです。
疲労は病気ではありませんが、病気にならないように体が発しているサインのひとつなのです。
たかが疲れと思わず、体の不調に耳を傾けてみましょう。

間違った疲労回復をしていませんか?

「疲労回復」のため、それぞれに実践していることがあると思いますが、間違った疲労回復方法をしていないでしょうか。

栄養ドリンク

市販されている所謂栄養ドリンクと呼ばれるものには、疲労回復に役立ちエネルギーを作り出すのに必要なビタミンB群やビタミンCが多く含まれています。
しかし、同時にカフェインや微量のアルコールも含まれており、疲れた体を無理やり覚醒させて働かせることにもつながります。
栄養ドリンクも一時的に使用するのは問題ありませんが、栄養ドリンクで疲労がなくなるわけではないことを忘れず、頼りすぎないように気をつけましょう。

スタミナ食

疲れているからとステーキや焼肉などスタミナのありそうな食事に頼ることはありませんか?
疲労回復には、もちろん食事からしっかりと栄養をとることが大切です。
しかし、たとえばステーキや焼肉、味の濃いものなどは消化に負担がかかります。
体が疲労した状態だと消化管の働きも低下していることが多いので、このようにボリュームのある食べ物は普段以上に消化に時間がかかり、胃もたれや胸焼けの原因となります。
また、必要な血液が消化のために胃や腸に集中するため、頭がぼんやりしてしまうこともあります。

正しい疲労回復とは?

疲労を回復の柱は「休息」と「栄養」です。
疲れを感じた時は早めに眠る、栄養のある食事をとる。
しかし、この2つはまさに言うは易し行うは難しなのです。
寝る直前に食事をとると、睡眠中に消化にエネルギーを取られてしまうので、なるべく早めに食事をとり、寝る直前に食べるのは控えましょう。
また、食事はバランスのよいものが基本ですが、疲れている時こそ消化に負担のかかりにくい食事を選ぶようにしましょう。
疲労回復には特にビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群やビタミンCが大切です。これらは一気に摂取しても体に蓄えることができないので、こまめに摂取するよう心がけましょう。

少しの運動もプラスに働く

疲れるほどの運動は良くありませんが、ストレッチやウォーキング、入浴などは血行をよくして、副交感神経の働きを優位にするため疲労回復に効果的です。
寝る前のストレッチや、ぬるめのお湯に入るなど、多少体を動かすことは疲労回復にとってプラスに作用します。
また、そもそも疲れにくい体を作るという点でおすすめなのが、筋肉をつけること。
筋肉量が多い方が疲れにくく、基礎代謝量が上がるので太りにくい体になります。
ちょっとした筋トレであれば自宅でも短時間でできますので、ぜひ意識して取り入れてみてください。
太ももの筋肉は、体のなかで一番体積が大きい筋肉なので、スクワットなどの太ももを鍛えるトレーニングはとてもおすすめです。
忙しい毎日を乗り切っていくためには、疲労回復と疲れにくい体を作っていくことがとても大切です。
少しでも日々を元気に過ごせるよう「疲労」という体からのメッセージに耳を傾けてみてくださいね。

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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