【ダイエッター必読】睡眠不足が肥満に直結する2つの大きな理由。痩せたい人は寝よう!

睡眠不足は肥満を招きやすいことをご存知ですか?
2005年、アメリカのコロンビア大学で男女8,000人を対象に行われた睡眠と肥満に関する調査では、睡眠時間が7〜9時間の人にくらべて7時間未満になると肥満率が増加するという結果となりました。
また、日本国内でも富山大学において「富山スタディ」として長年子どもの生活習慣と肥満についての調査・研究が行われていますが、子どもを対象にした調査においても同様に、睡眠時間が短くなると、その後の肥満率が上がるという報告があります。
寝る時間が短いと、その分活動している時間が長いはずなのにどうして太るの?
そう疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は睡眠不足が肥満に与える影響について考えてみましょう。

生活習慣の乱れが肥満の一因に

人間は起きて活動している時だけでなく、寝ている間やぼんやりと何もせず過ごしている時にもエネルギーを消費していて、これを基礎代謝と呼んでいます。
仕事などで遅い時間まで起きていると、基礎代謝だけでなく「活動」が加わるので、消費されるエネルギーは増えて、どちらかというと痩せるようなイメージが湧くかもしれません。
しかし、ウォーキングを30分行った時に消費できるカロリーが約120Kcal、これに対してポテトチップス1袋(60g)のカロリーは約350Kcal。
このように人間が動いて消費できるカロリーというのはみなさんが考えているよりもずっと少ないのです。
遅い時間まで起きていると3度の食事以外にもおやつや夜食を食べたり、遅い時間に食事をとるなど、生活習慣の乱れから太りやすくなってしまうのが一つ目の理由です。

睡眠不足でホルモン分泌に変化

二つ目の理由として、睡眠不足は体内のさまざまなホルモン分泌に影響を与えることが挙げられます。
寝不足の時や遅くまで起きている時、衝動的にドカ食いをした経験はありませんか?
睡眠不足になると、食欲を亢進させる「グレリン」というホルモンが増え、逆に食欲や代謝の調整を行う「レプチン」というホルモンの分泌が減るため、上手く食欲が抑えられず過食傾向になります。
さらに、睡眠不足によって交感神経の働きが優位になり、「コルチゾール」というホルモンが増えると、インスリン抵抗性が増し太りやすくなることがわかっています。
また、私たちの体を修復してくれる「成長ホルモン」は、脂肪を分解する働きも持っているため、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が低下することも、肥満増加の原因となるのです。

睡眠は肥満解消の第一歩

このように、睡眠不足は様々な面から「肥満」の元になるので、忙しい生活のなかでもなるべく睡眠に充てる時間を長く確保できるようにしたいですね。
また、痩せたいと思っているけれどなかなか痩せられないという方は、自身の睡眠が解決の鍵になっているかもしれません。
現代社会では、しっかりと毎日7時間睡眠を確保できる人のほうが少ないと思いますが、睡眠時間を大切にすること、寝る直前の飲食やテレビ・スマホなどを避けて睡眠の質を向上させることに気をつけて過ごしていきましょう。

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
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