健康コインでランチが無料?~ロート製薬株式会社の健康経営~

働き方改革や健康経営が求められているなか、他社はどういった取り組みをしているか、自社や従業員にはどういった取り組みが導入可能か、効果的か、迷われている企業は多いのではないでしょうか?
今回は、健康増進に関わるさまざまの制度を導入・実施中のロート製薬株式会社の健康経営の取り組みについてご紹介します。

社内通貨「ARUCO(アルコ)」

ロート製薬株式会社(大阪府大阪市)は、健康経営の一環として、独自の社内通貨(健康コイン)「ARUCO(アルコ)」の付与を2019年1月から開始しました。
この制度では、健康的な生活習慣状況に応じコインが付与され、獲得したコインが会社運営のカフェ、レストラン等でのヘルシーランチチケットやリラクゼーション施設でのリフレッシュ体験、さらには健康に関する社内セミナーや自己研鑽につながる社内研修への参加や心身のリフレッシュを目的とした特別休暇取得などに利用することができます。

ARUCO運用例

以下では、ARUCOの運用方法を説明します。

貯める

・ 1日8,000歩&早歩き20分:毎日10コイン(年間3,650コイン)
・ 非喫煙:毎月500コイン
・ 卒煙達成:10,000コイン
・ 30分以上の運動を週2回:毎週50コイン(年間2,600コイン)

使う

・ 健康食のランチチケット:1色1,000コイン
・ 自社運営リラクゼーションサロンでの食リラクゼーション体験:1回2,000コイン
・ 社内セミナーの参加費:1回500コイン
・ リフレッシュ特別休暇:1日10,000コイン

歩数や早歩き時間は、社員に配布している活動量計で測定し、社内専用パソコンにかざすと自動的に活動が記録されます。
コインの獲得状況は、社内イントラで随時確認、利用申請ができ、1月の導入開始からすでにコイン使用を開始している従業員もいます。
普段から運動や健康な生活を心がけている社員以外に、不調や健康課題を自覚しているものの、なかなか生活習慣の見直し・改善が図れていない従業員にも、本取組が新しい“きっかけ”になるよう、コインの獲得方法や利用メニューの拡大を図る見通しで、単に健康を「意識する」だけでなく、しっかりと日々の行動を「変えること」までつなげていこうとしており、従業員主体的な健康づくりを進めています。
同社は、女性社員の婦人科検診と潜在性鉄欠乏症(かくれ貧血)を検査するための血清フェリチン検査の無償化、2020年までに、肥満率を男性17.5%、女性11.0%にする、1日8,000歩達成と早歩き20分の実践率を80.0%にするなどの目標を掲げ健康経営に注力しています。

実現可能な部分からの導入を

アフラック生命保険株式会社では、2017年より、春・秋の年2回、全社員対象で、リストバンド型活動量計やスマホの歩数カウントアプリを使用し、全国で参加できるウォーキングキャンペーンを実施しています。
このイベントには、半数以上の社員が参加し、参加社員の7割以上が「満足」・「やや満足」と実施後のアンケートで回答しました。
中小企業は、大企業のような飲食店や施設との提携・利用といった取り組みをそのまま適用することは、難しいケースも多いですが、歩数計を配布し、ポイント換算や体重の減量に応じインセンティブに反映、特別休暇取得可能としている会社はあります。
運用している会社では、歩数計を配布してそのままでなく、まずは、社長や代表者が実践することで、従業員も新しい制度を受け入れやすくなり、定期的に社内全体イベントが実施されると、部署間や同僚との交流・コミュニケーションのきっかけや、個人の運動モチベーション向上にもつながり、会社全体に活気がわくようです。
普段、働きながら運動する時間がなかなか取れない、ジム通いがなかなか続かいない人も、日常の通勤・移動からエスカレーターやエレベーターでなく、積極的に階段を使う等、簡単な変化から歩数に反映され、生活習慣の見直し・改善につながりますね。
各社で、中長期的な目標を立て、まずは実現・改善可能な部分より健康経営に取り組まれてください。

<参考>
・ ロート製薬株式会社「独自の社内通貨で従業員の健康づくりをサポート!ロート製薬が健康コイン『ARUCO(アルコ)』を導入」
・ ロート製薬株式会社「健康経営宣言の制定と2020年に向けた3つの取り組みを実施していきます」
・ アフラック生命保険株式会社「アフラックの健康経営」

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