ダメ絶対といわれても使ってしまう違法薬物 ~身近に潜む危険と心理~

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皆さんこんにちは。
精神保健福祉士の笹井です。

先日、某アニメ人気キャラクターの声を務めた俳優がコカインの使用をしたとして、逮捕されました。
その俳優は、ドラマや歌手活動にも引っ張りだこだったため、番組が差し替えになったり、CDの販売が自粛されたりと大騒ぎとなりました。
「順風満帆そうな人生なのに、不自由ない暮らしをしているだろうに、なぜ薬物なんかやるんだろう?」なんて、考えてしまいますね。

さて、今回の産業保健新聞、テーマは「薬物に逃げてしまう心」です。

何かに頼る心

薬物を始めるきっかけの多くは「一度だけ使ってみたい」という好奇心によるものがほとんどです。
また、友人や職場の仲間などから、「痩せられる」「元気が出る」といった甘い誘い言葉にのせられ、手を出してしまうこともあります。

何かに依存してしまう人の多くは、
「何らかのストレスを抱えている」
「ストレスが解消しにくい」
という状態です。
それとともに、依存してしまうもの(薬物・アルコール・ギャンブルなど)でしかストレスを解消できない状態にあるのです。

人には、ストレスから自分を守る防衛機制という心の働きがあります。
ストレスを現実に適応するために解消・解決する行動をいうのですが、薬物依存は「行動化」という抑圧された衝動が問題行動として表出している状態です。

さあ皆さん、思い出してみましょう。
皆さんが若かりし頃(まだ若い方もいるかもしれませんが)、熱中したゲームやスポーツをしていたとき、今のようにお酒やたばこを頼ったでしょうか?

薬物は遠い存在?

薬物を遠い存在のものとして感じる人は多いかもしれません。
しかし、そうではないのです。
なんと、平成27年の薬物使用での検挙数は約13,000名も居ます。
検挙に至っているのは氷山の一角ですので、検挙している数の数倍~数十倍が、違法薬物を使用をしている考えられます。

従来は人づてでの販売経路であったようですが、近年、販売経路がインターネットになるなど、手口も巧妙化しているようです。
違法薬物は、身の回りにあるありふれた存在であると、認識したほうが良いでしょう。

依存になると取り返しがつきません

どの薬物にも依存性があるのですが、最初摂取した際には、体から排出されるスピードも速く依存も確立していないので、すっきり素面に戻ってしまいます。
そのため「摂取しても大したことはないな」と感じてしまい、また手を出してしまいます。

一度、薬物の依存に陥ると、抜けだすことは困難です。
違法薬物は脳の萎縮を招き、脳の機能が低下させます。
脳の機能低下は、他の精神病(統合失調症や躁うつ病など)の精神症状を引き起こします。
一時的に精神症状は、向精神薬で対症療法を行えますが、器質的に脳の機能が低下しているので、回復は難しくなります。

さらに、薬物依存は治療できる病院やクリニックが限られてきます。
薬物依存は専門外として心療内科のクリニックで受診を断られることがあります。
それは、薬物依存の方を取り巻く背景(交友関係や家族関係、犯罪など)が診療を行うにあたり、リスクとして考えられるからです。

あなたはスーパーマンではなく普通の人です。
違法薬物には勝てません。
絶対に違法薬物は辞めましょう!

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笹井裕介

笹井裕介産業保健部 看護師・精神保健福祉士

投稿者プロフィール

精神科クリニックにて、患者の相談援助を行う精神保健福祉士として勤務。その後、知識を拡げたいと思い看護学校に入学し看護師免許を取得したのち、総合内科、呼吸器内科で勤務しました。多くの患者さんたちにかかわってきたからこそ、病気になる怖さを知っているつもりです。健康に働く人を増やせるように、自分が持っている知識を提供できればと思います。
【保有資格】看護師、精神保健福祉士
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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