ママたちの声を聞いてみた! 出産・子育てに「子連れ出勤」は有効か?

2019年1月15日、宮腰光寛少子化担当相は、子どもを職場に連れ、業務を行う「子連れ出勤」を政府として後押しする考えを表明しました。
自治体向けの地域少子化対策重点推進交付金の中で新たに重点課題と位置づけ、補助率を従来の2分の1から3分の2に引き上げる方針です。

出産・子育ての状況

そもそも、出産・子育ての状況は、どうなっているのでしょうか?
首相官邸「まち・ひと・しごと創生本部」では、「結婚・出産等に関する意識調査」結果が公表されています。
結果によると、「理想的な子どもの数」よりも「今後持つつもりの子どもの数」が少ない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎる」を挙げている人が多くいました。
また、子どもの数が増えるほど、その理由を挙げる割合が高くなる傾向にありました。
さらに、現在の夫婦との間に子どもを持った、または過去に子どもを持ったことがある有配偶者に出産、育児に際しての不安や苦労としては、子どもの人数にかかわらず、男女とも「経済的負担が大きい」を挙げている人が最も多かったです。
加えて、独身で結婚意向ありの女性に、結婚・出産後の仕事の意向を尋ねると、「結婚後も出産後も仕事を続けたい」と回答する割合が18~49歳では半数近くを占めていました。
このような結果から、出産・子育てには、経済的な不安・負担が大きく、共働きによる収入の確保が必要、また、出産・子育てと両立し勤続意欲の高い女性が多いことがわかります。

「子連れ出勤」は有効か?

現在、子育て中の保護者が保育所または学童保育施設に入所申請をしているにもかかわらず入所できず、入所待ちしている待機児童が都内だけで5,400人います(東京都調べ、平成30年4月1日現在)。
では、子育てを理由に働きたくても働けない、働いているが子どもの状況・体調により休暇を取らざるを得ずに困っているような人たちにとって、子連れ出勤は現実的な方法でしょうか?

実際に子育て中の方の声

子連れ出勤については、すでにメディアでも多くの意見が挙がっているところですが、実際に子育て中の方々に意見を聞いてみました。

・ 子連れ出勤できるのはありがたいが、乳幼児や小さな子どもを通勤ラッシュの電車、バスに乗せるのが難しい。特にミルクや食事、おむつ等荷物が多く、荷物を持ちつつ子どもを連れての通退勤が大変
・ 年齢が小さいと、一人遊びも難しく、知らない大人ばかりの環境で、自分の子どもが周りの社員に迷惑をかけていないか心配
・ 整理整頓され清潔なオフィスでも、小さな子どもにとっては危険も潜んでいる。歩き回り転倒、怪我をする可能性もある
・ 工場勤務など製造系や、外回りの多い営業職の親子を想定されていない
・ 親以外にもフォローする人員・体制が必要

私の所属するドクタートラストにも、社内保育所があり、利用中の社員がいます。
利用状況を尋ねてみると、出勤時間を通勤ラッシュとずらすなどの工夫をしており、実際に会社側も、個々人に合わせた勤務体系を組むようにしています。
各社で勤務状況や環境は異なるので、どういった方法で「子連れ出勤」は導入可能か、どのような工夫が必要か、ぜひ検討してみてください。

<参考>
・ 「平成27年 結婚・出産等に関する意識調査」(首相官邸まち・ひと・しごと創生本部)
・ 「都内の保育サービスの状況について」(東京都)

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