リワークプログラムってどんなもの?
- 2014/5/8
- メンタルヘルス

最近、企業様で「リワークプログラムの導入を検討しています。」という話をうかがう機会が増えてきました。
そもそも、リワークプログラムとは?
メンタル疾患で、休職期間が長期化していたり、休職と復職を繰り返している、職場復帰が困難な方の、復職(リワーク)を支援するためのプログラムです。
自宅療養期間が長かった、メンタル疾患の方の復職には、様々なハードルがあります。
朝、遅刻せずに出勤することが可能か
仕事に集中することが出来るか
同僚と、うまくコミュニケーションをとることが出来るか
職場でのストレスに対処することが出来るか
睡眠に障害が発生しないか
耐え難い疲労の蓄積で、翌日の仕事に影響が出ないか
など、通常の業務を行うことが出来るようになるためには、これらのハードルを一つずつクリアしていかなければなりません。
休職中に、自宅で規則正しい生活を意識し、朝は7時に起床、夜は23時には就寝していても、
復職すると生活のリズムが崩れ、不眠や朝起きにくいといった症状から、月曜日から金曜日まで、毎日出勤するのが困難になることもあります。
平日の日中には、毎日7時間ほど図書館で本を読んで過ごすという活動が出来ても、職場で7時間仕事に集中することは困難な場合もあります。
復職後に、周囲の従業員とのコミュニケーションが上手く取れず、業務に支障が出たり、ストレスが貯まり、病状が悪化する可能性があります。
メンタル疾患の方が復職と休職を繰り返す原因も、このようなものが多いです。
どうすればこのような問題のリスクが回避できるのでしょうか?
一番良いのは、主治医と産業医・職場が連携し、細やかにフォローし、焦らずゆっくりと段階的に復職をすることです。
しかし、多くの企業ではこのような対応は困難です。
具体的に企業からは、就業規則的にリハビリ勤務的な対応は困難や、周囲の従業員への影響を懸念して受け入れが難しいという回答があります。
そこで、企業が導入を検討しているのが、『リワークプログラム』です。
本格的な復職までのウォーミングアップを、他の施設を利用し行ってもらい、実際の職場復帰をスムーズにすることを目的にしています。
リワークプログラムを実施する施設には、以下のような施設があります。
<公的な施設>
都道府県の地域障害者職業センター(独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構。東京障害者職業センターなど頭に都道府県名がついています)、精神保健福祉センター
<民間の施設>
精神科病院や診療所(「デイ・ケア」として職場復帰支援を行っている場合があります。)
リワークプログラムを導入するにあたり、大切なことは
①主治医が、復職またはリワークプログラムへの参加が可能であると、診断していること。
②リワークプログラムに参加する従業員と、企業の目標が、「円滑な職場復帰」であること。
です。
メンタル疾患の従業員の職場復帰への、時間稼ぎ的な導入は避けなければならないことを、十分に理解しておく必要があります。
具体的な、プログラムの内容に関しては、後日改めてご説明したいと思います。