土曜日の祝日に救いの手を!

みなさんの職場では土曜日、日曜日、国民の祝日は休日になっていますか?
休日だという職場では、祝日が日曜日と重なった場合には振替休日があると思います。
でも祝日が土曜日と重なってしまった場合、多くの職場では振替休日はありませんよね。
2018年の残りの祝日を見てみると、残念ながら11月3日の文化の日が土曜日と重なっています。
「土曜日も日曜日も同じ休日なのに……」と誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
実はこの差、法律によって決まっています。
今回は国民の祝日について学んでいきましょう。
また働き方改革の一環として、祝日が土曜日と重なった場合に独自に振替休日を設けている企業もあるようです。
その取り組みについても知りましょう。

なぜ祝日が日曜日と重なると振替休日になるの?

国民の祝日の振替休日については、「国民の祝日に関する法律」3条2で以下の通り定めが置かれています。

第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。

わかりやすく言い換えると、祝日が日曜日と重なったときはその日以降の最も近い平日を休日とする、ということになります。
祝日が日曜日だった場合の振替休日は法律によって保証されているんですね。
「じゃあ土曜日は?」というと、土曜日の振替休日に関しては法律で定めがありません。
国が法律で定めている休日は日曜日と国民の祝日だけなのです。
そもそもこの法律が施行されたのが1948年、日曜日の振替休日に関する改正がなされたのは1973年。
土曜日も休日にする動きが広まったのは国家公務員に完全週休2日制が導入された1992年以降であり、当時は土曜日が休日ではないのが一般的でした。
そのため今でも法律では土曜日は休日として明言されていません。

なぜ土曜日を休日として改正しないの?

実はこれまでに法改正が試みられたことはあります。
民主党が与党だった2012年に、土曜日を休日とし、土曜日が祝日と重なった場合に振替休日を設けようという法改正の動きがあったのです。
しかしそれが実現しないまま政権が交代し、自民党による「ハッピーマンデー」によって祝日の一部(成人の日、体育の日、海の日、敬老の日)を月曜日へ移動させる取り組みはおこなわれましたが、土曜日振替休日案はなくなってしまいました。

独自に土曜日振替休日に取り組む企業も!

ご紹介したとおり、法律上では土曜日祝日の振替休日制度はありませんが、独自の制度を設けている企業もあります。

アンダーワークス株式会社

2017年2月より働き方改革の一環として、土曜日が祝日の場合は前日の金曜日を休業日とする「わくわく金曜日」を開始しました。
同社はわくわく金曜日の目的として「金土日を3連休とし、翌週から集中力を高めて業務に励むことで、さらなる生産性の向上を図ること」としています。

味の素株式会社

働き方改革の一環として、2019年度より祝日が土曜日と重なる場合には独自に振替休日を設定すると発表しました。
これによって年間休日数を124日に固定することを実現させます。
祝日だけでなく、正月三が日と土日が重なった場合にも振替休日を設定し、年間休日数を減らさないようにするとしています。

日立グループ

祝日が土曜日に重なった場合に前日の金曜日を振替休日とする取り組みを開始しています。
土曜日と重なる祝日が計4日と多かった2017年ですが、同グループでは年間休日を126日とすることを達成しました。

取り組むメリットはたくさん!

現在は働き方改革の一環として、長時間労働の是正だけではなく年間休日数にも改めて注目されており、求職者にとっても年間休日数が120日を超えるかどうかは企業を判断するひとつの目安となっています。
これまで通り完全週休2日制と祝日休業を実施していたとしても、2017年のように土曜と祝日が多く重なる年では120日を切ってしまう可能性があり、土曜日祝日の振替休日制度は年間休日数の固定化におおいに有効であると考えられます。
またこの制度に取り組んでいる企業が多くない今のうちに率先して取り組むことによって、企業イメージの向上や知名度の向上、ひいては新規顧客の確保や優秀な人材の確保につながるでしょう。
休みなく働くよりも、しっかり休み、従業員が健康であることが生産性を向上させ、企業の利益を向上させることはすでに実証されています。
企業の利益向上、優秀な人材確保のために、土曜日祝日の振替休日制度に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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北原梨英株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学を卒業後、保健師として活動するほか、健康経営エキスパートアドバイザーとしてさまざまな企業様の健康経営を支援してきました。現在はセミナーのご依頼が最も多く、得意とする女性の健康増進と活躍推進をはじめ、多くのテーマでお話をしております。「従業員に長く健康に働き続けてほしい」「健康経営に取り組みたい」「健康経営優良法人の認定を目指したい」などお悩みがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。どのようなご状況の企業様にも親身に寄り添って、今すぐできることからご提案し、一緒に取り組んでいくことをお約束いたします。
【保有資格】保健師、健康経営エキスパートアドバイザー、看護師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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