過敏性腸症候群の治療法
- 2014/4/20
- 病状・症状

検査をしても特に異常は見つからないのに、腹痛や腹部の不快感と共に、下痢や便秘が続く疾患を過敏性腸症候群(IBS)といいます。
通勤途中や会議、テスト前の急などに腹痛や下痢、または便秘による不快な症状が出る場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。
では、もし、過敏性腸症候群になったらどのように治療をしていけばいいのでしょうか。
過敏性腸症候群(IBS)と治療法
1. 受診する科は?
過敏性腸症候群を疑う場合、まずは消化器科・胃腸科でその他の病気の可能性を除外する必要があります。
近くにかかりつけの内科がある場合は、そこから紹介状を書いてもらうと良いでしょう。
消化器科・胃腸科での検査後に異常が見つからない場合、ストレスへの対策を取るため、心療内科を受診することも多くあります。
流れとしては、以下のようになります。
近くの内科 → 総合病院の消化器内科 → 消化器専門医や心療内科専門医での治療
2. 治療法は?
過敏性腸症候群の場合、ストレスが原因で引き起こされることが多いため、腸内環境を整える治療だけで効果が出ない場合、心療内科領域での治療が必要になることがあります。
第1ステップ:乳酸菌製剤、抗コリン剤、下剤などの治療
第2ステップ:抗不安薬、抗うつ薬などの治療
第3ステップ:心理療法、認知行動療法などの併用
また、最近では腸内細菌バランスの乱れが原因の可能性もあることがわかってきたため、抗生剤を用いた治療法や、海外では特定の食材を抜いていく「FODMAP食事法」という治療法も用いられ始めています。
3. 生活習慣で気を付けることは?
過敏性腸症候群の場合は、生活習慣の乱れを正すことも大切な治療となります。
・ 睡眠をしっかり取り、規則正しい生活をする。
・ 刺激物(辛いもの、脂っこいもの、アルコール)を避ける。
・ 喫煙をやめる。
……など、基本的なことですが、腸への刺激を最小限にする生活の工夫が大切です。
「ストレスに弱いから」と一言で片づけてしまわれがちな過敏性腸症候群ですが、単なる気持ちの問題ではなく、ストレスに対して体の中の異常が起きているわけですから、きちんと治療をしてあげることで、解決に向かうことが多々あります。
市販の薬で症状を抑えたり、「体質だから」とあきらめてしまっている方は、症状が重くなる前にぜひ診察を受けることをお勧めします!