
先の通常国会では、「働き方改革」として労働時間の罰則つき、上限規制の法案が成立しました。
このことは、すでにご存じの方も多いかと思います。
一方で、働く方の健康を守るある制度が注目を集めています。
それが「勤務間インターバル」制度です。
事業主への努力義務として法案が成立しました。(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法)
勤務間インターバル制度
この勤務間インターバル制度は「勤務終了後、一定時間以上の『休息期間』を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するもの」(厚生労働省ホームページ)です。
例えば、勤務時間が午前9時から午後6時までとなっている勤務先において、事業主が勤務間インターバルを11時間に設定した場合、その勤務先の従業員が夜11時まで残業したときは、翌日午前10時までは事業主はその従業員に対して勤務をさせてはいけないことになります。
この制度のポイントは睡眠時間の確保にあります。
厚生労働省が2001年に専門検討会でまとめた報告書では、勤務時間が長くなると睡眠時間が減ることが予想され、一日当たり2時間を超えると、1日の疲れをその日の睡眠では解消できず、このことが健康状態を悪化させる、とのことでした。
この制度の導入により、睡眠時間を確保して健康を維持することが期待されます。
海外・国内での情勢
EUでは、11時間の勤務間インターバル制度が既に導入されています。
そして近年、導入する企業が増えています。
厚生労働省のホームページには、ユニ・チャーム、TBC、聖霊三方原病院、本田技研工業、フレッセイ、KDDI、AGSの各企業での導入事情が紹介されています。
また、今年では日立製作所が新たに導入することが発表されていました。
助成金制度 申請期限は本年12月3日まで!
なお、この制度を導入する中小企業に対する助成金制度を厚生労働省が設けています。
申請期限は、本年12月3日まで(ただし、予算消化した場合は12月3日以前に締め切る場合あり)です。
導入を検討している中小企業の方々は、ぜひ早めの申請を心掛けてください。
働く方々の健康と生活を守ることは、その企業の生産性によい影響を与えると思います。今後、ますます広がっていくといいですね。