派遣労働者の健康診断

派遣労働者の健康診断は、派遣先事業者と派遣元事業者のどちらが責任を負うかご存知ですか?
大まかに申し上げますと、派遣労働者の一般健康診断は派遣元事業者が、特殊健康診断は派遣先事業者が行います。

派遣労働者の一般健康診断

一般健康診断については、労働安全衛生法66条1項に以下の定めがおかれています。

労働安全衛生法
(健康診断)
第66条 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第66条の10第1項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。

そしてこの「一般健康診断」には以下があてはまります。

・ 雇入時の健康診断(労働安全衛生規則43条)
・ 定期健康診断(労働安全衛生規則44条)
・ 特定業務従事者の健康診断(労働安全衛生規則45条)
・ 海外派遣労働者の健康診断(労働安全衛生規則45条の2)
・ 給食従事者の検便(労働安全衛生規則47条)
・ 自発的健康診断(労働安全衛生規則66条の2)

これら一般健康診断について、派遣労働者の実施は派遣元事業者が責任を負うことになります。

派遣労働者の特殊健康診断

特殊健康診断については、労働安全衛生法66条2項などに以下の定めがおかれています。

労働安全衛生法
(健康診断)
第66条
(中略)
2 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。
3 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行なわなければならない。
4 都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。

特殊健康診断について具体的に書き下すと、以下があります。

・ 一定の有害業務に従事する、または以前従事していた労働者に対する健康診断(労働安全衛生法66条2項)
※じん肺、特定化学物質、石綿、有機溶剤などに関する健康診断
・ 一定の有害業務に従事する労働者に対する歯科健康診断(労働安全衛生法66条3項)
・ 都道府県労働局長が指示する健康診断(労働安全衛生法66条4項)
・ 行政からの通達で示されている健康診断

以上のように、取り扱いに注意すべき物質を扱っている労働者を対象にした健康診断について派遣労働者分の費用は、実施義務のある派遣先事業者が負担することとなります。
そしてもちろん、健康診断を受けてもらって終わりではありません!

結果の記録、健診事後措置などを派遣労働者分も行う

正社員の健康診断と同様に、以下についても派遣労働者に行う必要があります。

・ 健康診断の結果の記録(労働安全衛生法66条の3)
・ 健康診断の結果についての医師等からの意見聴取(労働安全衛生法66条の4)
・ 健康診断実施後の措置(労働安全衛生法66条の5)

上記の派遣労働者分について一般健康診断は派遣元事業者、特殊健康診断は派遣先事業者の義務となります。

また、派遣先事業者は、特殊健康診断を行ったとき、これらの健康診断の結果を記載した書面を作成して、派遣元事業者に送付することが必要です。(労働者派遣法45条10項)
派遣先事業者は、医師等の意見を聴いたときは、遅滞なく、派遣元事業者に通知しなければなりません。(労働者派遣法45条14項)

コメント

労働者派遣法は改正が多いこともあり、派遣元と派遣先の安全配慮義務がわかりにくいこともあると思います。
それゆえ、派遣元と派遣先の連絡調整が重要であり、派遣労働者の健康管理についても日ごろから情報共有をしておくことで、産業医面談が必要な際などにもスムーズにやり取りが進み、さらには急な法改正にも対応できるのではないでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】改正育児・介護休業法の概要と背景を専門家が解説!

  2. 【動画あり】休職者、在宅勤務者をサポート「アンリケアサービス」~その魅力と導入の流れ~

  3. 【動画あり】2022年6月施行「改正公益通報者保護法」を専門家がわかりやすく解説!退職者や役員も保護対象になる⁉

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る