人材育成のための助成金~人材開発支援助成金を活用しましょう!~

助成金制度 長期の教育訓練休暇コース

平成30年5月18日、厚生労働省と文部科学省の共同調査による「平成30年3月大学等卒業者の就職状況」が発表されました。
この調査結果によると、大学生の就職率は98.0%と依然高く、企業による採用活動も活発に行われていることがわかります。

さらに中途採用ともなると、現在の従業員をさらに活性化させるような、技術力やコミュニケーション能力に優れた人材や、職務遂行の能力の高い人材を獲得したいと考えます。
しかし、そうした人材は引く手あまた。高い給料の提示や、好待遇、人材に対する事業の訴求力等により他社に負けてしまうこともあるでしょう。
優秀な人材確保はどんな企業でも共通の課題といえます。

ここで改めて考えていただきたいのは自社内での人材の育成です。
外から採用するだけでなく、きちんと自社内の人材育成にも取り組んでいますか?

企業の人材育成の現状

厚生労働省が公表している平成29年度「能力開発基本調査」によると、人材育成に関して何らかの「問題がある」と回答した事業所は75.4%であり、54.2%もの事業所が最も多い問題点として「指導する人材が不足している」を挙げています。
ではどのように解決すればよいのでしょうか。
このような問題には社外の講師等による研修や講習会、通信教育等Off-JTが効果的です。
公益財団法人連合総合生活開発研究所の調べによると、過去1年間以内にOff-JTを受けた、20、30歳代は2割台と低いことがわかりました。
吸収力の高い若者に対する人材育成がうまく実施されていない、特に費用もかかり、直接自社の利益に結び付きにくいOff-JTが実施されていないことがうかがえます。

人材育成のための助成金

とはいえ、いざ人材育成を実施しようと考えても、実施のための費用の捻出が難しいこともあるかと思います。
人材育成を実施した中小企業に対する助成金「人材開発支援助成金」が厚生労働省により、設けられています。

「人材開発支援助成金」にはいくつかの種類にはいくつか種類がありますが、
今回は「特定訓練 コース」を紹介します。

特定訓練コースとは

基本要件としてOff-JTにより実施される訓練であり、実訓練時間が10時間以上である必要があります。
また、以下の4つに分かれています。

・ 特定の施設での「労働生産性の向上に係る訓練」
・ 雇用契約締結後5年以内で35歳未満の若年労働者に対する「若年労働者への訓練」
・ 熟練技能者の指導力強化や技能承継のための「技能承継等の訓練」
・ 海外関連の業務に従事する従業員に対しての「グローバル人材育成の訓練」

助成される費用は社外の講師への謝金、手当や受講案内で定められている受講費や教科書代などがあります。
また、「訓練開始日が属する会計年度の前年度の生産性とその3年後の会計年度の生産性を比べて6%以上伸びている」という「生産性要件」を満たしている場合、助成額が割増支給されます。
ただし、自動車免許の取得等、業務に間接的に必要となる知識、技能を取得のための訓練や、マナー講習など、社会人としての基礎的なスキルを取得するための講習、講習を受講しなくても単独で合格できる資格取得のための訓練等は助成の対象外となりますので注意が必要です。

いかがでしょうか。
助成金を活用し、社内の人材を育成しましょう!

<参考>
・ 第35回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)」調査結果(公益財団法人連合総合生活開発研究所)
・ 「平成30年3月大学等卒業者の就職状況」(厚生労働省)
・ 「平成29年度「能力開発基本調査」の結果を公表します(PDF)」(厚生労働省)

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石津 卓也株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

楽しく働けるしくみのもとで働くことが大切だという考えを持ち、そのしくみを実現させる可能性を秘めた、情報技術に関心を持つようになりました。
現在、プログラマーとして、業務の自動化、効率化やしくみづくりを行っています。
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