正しく知って、正しく対応! 心臓の声を聴く心電図検査

新年度に入り、健康診断を受診された方が増えています。
先日、健康診断を受けた方から

「心電図でST異常と出たのですが、心配です。どうしたらいいですか」

と尋ねられました。
心電図検査で所見があると、心臓のことですし不安になるのは当然のことですね。
本日は、心電図検査について改めてお話したいと思います。

心電図検査とは

みなさんもご存知のように、私たちの命を保つための重要な役割をしています。だからこそ、なにか異常があると不安になりますし、気になってしまいますよね。
心電図検査では心臓が血液を送るための電気信号を察知し、正しく、リズムよく流れているのか、異常が起こっていないかを知る為の検査です。

心電図検査では、文字通り、臓の気(信号)をにして行います。
心電図検査では、心臓を動かすための電気信号を装置で捉えてグラフのような波形(図)に起こし、異常がないかを医師などの医療職がチェックします。
この検査では電気信号の異常を発見するほかにも、脈拍の状態など、様々な情報を得て、検査を行います。

心電図検査で何がわかるのか

心電図検査では主に不整脈、狭心症、心筋梗塞がないかがわかります。

  • 不整脈
    心臓のリズムが一定ではなく、整っていない状態のことです。
    不整脈によっては、早いものや、遅いものもあります。
  • 狭心症
    血液が循環する道(血管)が狭くなっている状態のことです。
  • 心筋梗塞
    血液の塊が血液が循環する道(血管)で詰まった状態のことです。

心電図検査の所見

心電図検査で通常とは異なる波形(図)となった場合、「所見」としてあがってきます。
では「所見」とはどのような状態を指すのでしょうか。
実は、「所見」とは、あくまで「なにか通常とは違っている」というお知らせであり、それは必ずしも「異常」であることを示しているわけではありません。
例えば、寝不足や緊張によって波形(図)に影響がでて異常所見となる場合もありますし、スポーツを多く行う人は、運動をしない人と比べて過度な運動ができる状態に心臓が適応しているため、必ず異常所見と出てしまうというケースもあります。
心電図検査の所見はたくさんあります。前述の通り、必ずしも「所見」=「以上」ではありません。結果によってはそのままでも問題がないものもあります。

心電図検査の判定の見方

どの医療機関の健診結果でもA~Fなどの判定基準があります。
結果を受け取ったら、「所見」かどうかではなく、まずは判定基準を確認しましょう。
基本的には判定通りの内容で問題はありません。
また、医師のコメントが書いてあるならば、それに従うのがとよいでしょう。
ただし、胸部症状(胸の痛みや苦しさ)や息苦しさ、もしくは階段やちょっとした動作で息切れがするなど、思い当たるところがありましたら再検査をお勧めします。
公益社団法人日本人間ドック学会のウェブサイトでは、「検査でわかること」をご紹介していますので、ご一読ください。

<参考>
公益社団法人日本人間ドック学会「心電図」

もし、誰に相談したらいいか迷われるようでしたら、会社にいる保健師産業医にご相談することも一案だと思います。
まずは慌てず、自分の状況を見極めましょう。

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