メンタルヘルス対策の心構えとは?

「メンタルヘルス」と聞くと、どんなものを想像しますか?

メンタルヘルス対策をしている人事の方とお話しすると、メンタルヘルスのイメージについて、「ストレス対策」や「専門家によるカウンセリング」、「うつ病」、「メンタルヘルス不調による休職や職場復帰」、「長時間労働」……といった病気の面からの視点が多く、皆様マイナスのイメージを多く持っている印象をしばしば受けます。
今回は、人事の方や産業保健スタッフがメンタルヘルス対策を行う際の心構えについて、お伝えしたいと思います。
「メンタルヘルス」は、一般的に「心の健康」といわれます。

「心」とは何?

まずは「心(りっしんべん含む)」を使った漢字を思い浮かべてみましょう。
「思、恋、悲、快、怖、急、忙、志」など、プラスのイメージのものもあれば、マイナスのイメージのものもあり、さまざまな心の状態を意味する漢字があります。
漢字を思い浮かべてみると、心の健康の「心」とは、ネガティブなイメージのものだけでなく、ポジティブなものもあり、広い視点から考えられますね。
「メンタルヘルス」と聞くと、つい医療的・病気の面から考えてしまいがちですが、上記のようなさまざまな状態のある「心」が健康な人を増やすといった視点で考えることが大切です。

「メンタルヘルス≒心の健康」とは?

厚生労働省「平成28年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、強い不安や悩み、ストレスがある労働者は約6割いることが結果として公表されています。
その原因は「仕事の質・量」や「仕事の失敗・責任」、「対人関係」などさまざまですが、半分以上の人が何らかの不安や悩み、ストレスを抱えながら仕事をしていることがわかります。
また、WHO憲章では「健康」について以下のように定義しています。

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態

つまり、健康とは身体的・精神的・社会的な状態のすべてから捉えられ、「心の健康」は対象者の健康全体の一部であるということです。
ストレスを感じる出来事が起きた時、精神状態に変化が出る人もいれば、頭が痛い、胃が痛いといった身体症状が出る人などさまざまです。
心の健康を考える場合には、対象者の健康全体を見て考える必要があります。
最初に心の入る漢字を思い浮かべていただきましたが、人間の心はたくさんの状態があり、その状態は常に変動しています。
いつでも心が「快」の状態であるとは限りません。
心が健康な人とは、「さまざまな心の変動を受け入れながら成長していける人」なのではないでしょうか。

メンタルヘルス対策で大切なこと

メンタルヘルス対策を行っていると、どうしても人のできていない点に目が行ってしまいがちです。
しかし、対象者が「今できていること」、「強みになっている点」を一緒に探す視点も大切です。
ストレスチェックやメンタルヘルス対策を行うことは企業にとって義務になっていますが、それ自体が目的ではありません。
それらの対策を通して、身体的にも精神的にも健康な状態で働ける人を増やすことが重要です。
ドクタートラストでは働く人の健康をサポートするために、さまざまなテーマで無料セミナーを実施しています。
ぜひお気軽にご参加ください。

セミナーサイトはこちら:http://seminar.doctor-trust.co.jp/

<参考>
・ 「平成28年 労働安全衛生調査(実態調査)」(厚生労働省)
・ 「健康の定義について」(公益社団法人日本WHO協会)

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