「働き方改革」を従業員満足度につなげるために

企業主体での働き方改革

「働き方改革」が叫ばれて久しい今日この頃ですが、皆さんの企業でも取り組みは行われていますでしょうか。
働き方改革が必要になった背景には、労働人口の減少や長時間労働の減少、少子高齢化、労働生産性などさまざまな問題があり、これらを一口に「働き方」としてまとめることは簡単ですが、各企業の具体的な施策に落とし込もうとした場合、そのスコープが広すぎるあまり、苦戦している企業も多いように思われます。

働き方改革に関する調査

今回は、働き方改革に関する企業向け調査についてご紹介させていただきます。
本調査は「働き方改革の実態調査2017~Future of Workを見据えて~」(以下、働き方調査)といい、2017年6~7月にデロイト トーマツ コンサルティング合同会社が実施したもので、238社から回答を得ています。

① 取り組み状況

働き方改革への取組状況は、2013年時点では30%であったものが、2017年には73%にまで飛躍的に増加しており、「働き方改革」が企業に浸透しつつあることがうかがわれます。

② 実施している施策

働き方改革として、具体的に実施されているのは下記の施策です。

・ 長時間労働の是正:86%
・ 業務の見直し:62%
・ 組織風土改革/意識改革:47%
・ オフィス環境の整備:40%
・ 在宅勤務・オフィス外勤務の促進:39%
・ ダイバーシティ&インクルージョン促進:39%
・ 既存システムの見直し・効率化:34%
・ 業務プロセスのシステム化:32%
・ 健康経営:32%
・ 社員の能力開発機会の提供:25%
・ 時間によらない就業形態の採用:22%
・ パフォーマンス・マネジメントの見直し/マネージャーの能力開発:20%
・ RPA・AIの活用13%
・ 社外労働力の柔軟な活用:7%
・ 一つの企業に寄らない働き方の許可・推奨:3%
・ その他:4%

上記のとおり、施策の多くは、従業員の就業時間や就業方法に寄ったものになっています。

従業員満足度になかなかつながらない!?

このように、施策自体は従業員1人ひとりの就業に関わるものではありますが、一方で従業員の満足度につながった企業はわずか28%にすぎませんでした。
やみくもに「労働時間を短く」しようとしても、やらなければならない業務量が一定であれば、逆に従業員にとっては負担が増えてしまう、どこかにしわ寄せが生じてしまうなど、本末転倒なことが生じている可能性があります。

会社側と従業員側のニーズを確認する

「働き方改革」、本来であれば従業員など「働く人本位」の視点が重要となってくるはずです。
企業の中には、トップダウン式に「良かれと思って」施策を行った結果、逆に不満が出てしまうというところもあるのではないでしょうか。
「働き方改革」を企業側と従業員側の「対話の機会」ととらえ、具体的に何を行えば「会社の満足度(生産性)」を「従業員の満足度」につなげられるようにしていただきたいと思います。

<参考>
・ デロイト トーマツ コンサルティング合同会社「働き方改革の実態調査2017~Future of Workを見据えて~」(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20170905.html
・ 首相官邸「働き方改革実現会議」各種公開資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/index.html

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蜂谷未亜株式会社ドクタートラスト 編集長

投稿者プロフィール

出版社勤務を経てドクタートラストに入社。産業保健や健康経営などに関する最新動向をいち早く、そしてわかりやすく取り上げてまいります。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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