休職期間中の産業医面談は必ず実施すべき?

平成28年度の労働安全衛生調査では、精神疾患のために1ヶ月以上休職している社員がいる企業は、全企業の0.4%と、減少することなく横ばいが続いています。
社員が休職になった時、多くの企業では下記のような流れを実施していると思います。

① 休職前に本人と産業医面談実施
② 休職期間終了時、主治医の診断書をもとに産業医面談実施(復職面談)
③ ならし出社等も含め、復職し業務開始

上記の流れですと、休職から復職まで産業医面談の実施回数は1回~2回となります。
これは、果たして適切な回数と言えるのでしょうか。

定期的に産業医面談を実施するメリットは?

主治医では、本人の元気な状態や働いている職場環境を把握しきれない場合もあると思います。(もちろん長年診察している主治医であれば、把握できるケースもあるでしょう)
復職時に主治医の意見書を最大限考慮できる状態にするためにも、休職期間中に定期的に産業医面談を実施することで、下記のようなメリットがあげられると思います。

① 休職期間中の回復経過を企業も把握することができる
② 復職時の主治医の診断書への理解も深まる
③ 復職後、休職者が企業に定着する為の環境整備を行うことで、再休職の防止につながる

事業場で選任している産業医であれば、本人がメンタル不調に陥る前の状態や、メンタル不調に陥る過程等、ある程度把握できるケースもあるでしょう。
休職期間中にしっかり休むということは必要不可欠になりますが、復職してから企業に定着して従事するためには、休職期間開始と同時に復職後の対応として準備する必要があります。
ただし、休職中の定期的な面談は、メリットばかりではありません。

休職中の定期的な面談に潜む問題点

休職期間中に産業医面談を実施しようとする場合、日程調整を含む本人との連絡は必要不可欠です。
しかし、企業から何度も本人に連絡を取ることで、仕事のことを思い出し、プレッシャーを感じ体調が悪化してしまう可能性もあります。
無理に会社へ来させることで、自宅と会社の間で体調不良を起こしたり、メンタル不調が急激に悪化してしまうこともあるでしょう。
特に休職に入ったばかりで体調が安定しない時期は、必要最低限の連絡のみにとどめるほうが良いといえます。
本人から定期的な産業医面談の希望があった場合や、体調が安定してきているにも関わらず復帰を希望しない場合などはもちろんこの限りではなく、本人や産業医と体調について良く相談のうえ、面談を設定するケースもあります。

休職中の連絡と産業医面談

休職中の連絡に関しては、頻度や方法などについて、人事担当者が判断に迷うケースも多く、ドクタートラストにもお問い合わせを多くいただきます。
特にメンタル不調の場合は、本人が連絡を遮断してしまう場合や、面談を望まないケースもよくあるため、主治医と企業が連携して、復職に向けて共に歩んでいくことが非常に重要です。
休職中の連絡方法については、休職者に連絡をする担当者を固定し、休職に入る際に、月に1回程度の連絡(休職延長なのか、復職に向けて準備を始めているのか)を確認するように事前に取り決めてしまうと良いでしょう。
連絡方法は、メールや電話など、休職者の希望を最大限考慮します。

休職中の面談は、復帰の可能性が見えてから

さらに、本人から「復職」の意志が伝えられた場合、そこから生活リズムの記録や主治医からの復職診断書取得、産業医面談の日程調整など、最低でも1ヶ月以上は時間を要することが多くなります。
この復職準備期間が最も重要になりますので、産業医面談は、できればこの期間の早い時期に1回、復職準備が整ってから1回程度行えるとベストです。
また、復職後も最低半年は、月に1回の産業医面談を実施していくようにすると良いとされています。
休職や復職に関しては、本人の今後のビジネスキャリアや健康に働き続けるという観点、または労使間のトラブルに発展するケースも多く、企業としても細心の注意を払い対応することが求められます。
そのためには、休職者本人だけでなく、産業医や主治医と密に連携を取り、企業の規定を守りながらも柔軟に対応していくことが重要です。

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杉山敏之株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

人生で一番多くの時間を費やす「働く」という行為が少しでも有意義になるように、「いかに元気に過ごすか」をテーマに少しでも意義のある情報をお届けできればと思っています。「企業」と「労働者」双方に必要とされ、生産性の向上へ貢献できるよう努めてまいります。
【保有資格】健康経営アドバイザー

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