就業規則を周知していないと、休職手続や懲戒処分はできない?

就業規則は、「職場のルールブック」という表現をされ、そこで働く社員の労働条件を定めたものであり、会社を円滑に運営するためには必要不可欠なものです。
就業規則を作ることにより、会社は人事労務管理をしやすくなり、社員は働くルールが明確になることにより、安心して働くことができます。
「官公庁や大企業では年間で1%前後がメンタル不調で休職するのが平均的」といわれる現代では、休職や復職など、就業規則が重要になってくる場面は、決して珍しいことではありません。

就業規則は社員への周知義務があります

就業規則は、「作っても社員には見せなくてもいいや」と考える方がいますが、これは間違いです!
労働基準法106条では就業規則の社員への周知を義務付けています。
周知の方法としては以下があります。

(1)いつでも誰でも見れる場所に掲示する、または備え付ける
(2)書面にして個人に配布する
(3)共有のサーバーなどに保存し、いつでも誰でも見れるようにする

ポイントは、「いつでも誰でも見れるようにする」点です。

労働基準法
(法令等の周知義務)
第106条  使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第18条第2項、第24条第1項ただし書、第32条の2第1項、第32条の3第1項、第32条の4第1項、第32条の5第1項、第34条第2項ただし書、第36条の第1項、第37条第3項、第38条の2第2項、第38条の3第1項並びに第39条第4項、第6項及び第9項ただし書に規定する協定並びに第38条の4第1項及び同条第5項(第41条の2第3項において準用する場合を含む。)並びに第41条の2第1項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

もし、周知をしていないと?

それでは、もし就業規則を社員に周知していない状況で、休職関連の手続きを行ったり、問題行動を起こした社員を懲戒したりすることなどはできるのでしょうか?
このような場合、過去の判例では、就業規則を社員に周知していなかったとしても、その効力が否定されることはあまりありません。
手続違反は問われることになりますが、就業規則そのものは有効とされる判例が多くなっています。
ただし、たとえば退職金の不支給や懲戒解雇など、社員にとって極めて重要でかつ不利益になる規定の場合、周知されていなければ無効になる可能性があります。
これはいわゆる「程度問題」であり、個々の状況に応じて「周知していない就業規則が有効か無効か」を判断することになります。

まとめ

就業規則を社員に周知していない場合でも、過去の判例においては就業規則の効力が否定されることはあまりありません。
しかし、そもそも就業規則は周知するために作るものです。
特に、就業規則を一部変更したような場合では、「前とくらべてどこが変わったのか」を明らかにした上で、社員に周知するとよいでしょう。

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