目的は職場環境改善!!~「ストレスチェック制度啓発セミナー」参加レポート~

2017年7月に一般社団法人日本精神科産業医協会主催の「ストレスチェック制度啓発セミナー」に参加してきました!

日本精神科産業医協会とは

日本精神科産業医協会は、企業におけるメンタルヘルス不調者の増加、精神疾患による労災認定増加している状況を踏まえ、産業医としての機能を果たす精神科医を「精神科産業医」として認定し、労働者・企業・社内に役立つ存在として成長させることを目指している協会です。
つまり、産業医として、企業のメンタルケアの最前線に立っている医師の集まりといえるでしょう。
多くの経験豊富な精神科医が参加している協会主催のストレスチェック制度啓発セミナーと聞き、大変期待をもって参加しました。
実際のセミナー内容もその期待のまま、大変興味深い内容のものでした!
今回はその中から、特に印象的だった解説を共有します。

ストレスチェックの目的は職場環境改善。実施自体はスタートに過ぎない

セミナーの中では、ストレスチェック義務化の目的が「実施すること」にあるという誤解が蔓延している状況への危惧が示されていました。
さらに、ストレスチェック制度の目的は、職場環境の改善にこそあり、働きやすい職場をつくることで、従業員の精神的健康の増進と生産性の向上を目指すものであるとも。

この目的を考え、以下2点のが解説されていました。

・ ストレスチェックは生産性向上のためのツールであり、「健康マター」ではなく「経営マター」である
・ 経営レベルが本腰を入れて対応すべき制度である

危惧されている点に関して、実際にストレスチェックの実施状況を研究した調査においても、職場環境の改善の実施まで行った事業場は全体の5.6%しかない結果も紹介されています(平成28年厚生労働省科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業より)。
本来の目的である職場環境改善が行われないことで、危惧されている影響のひとつとして、従業員が「受検しても何も変わらない」と感じてしまうことが挙げられます。
結果として、翌年以降の受検率が低下し、制度が形骸化してしまうことを大変強く不安視しているのです。
そうならないように運営するには、実施前に分析結果を有用に活用し職場改善を行う旨の全体への周知徹底と、全員の納得を得ることが必要であり、そのための準備が重要です。

職場環境改善につながる集団分析が、義務化されていないのはなぜか

しかし、そこまで重要な集団分析が、現行の法令では、強制力のない「努力義務」と規定されています。

なぜなのか?

それは決して集団分析が軽視されているということではありません。
ストレスチェックの施行に際しての検討会において企業側から「準備期間がほしい」との要望があり、猶予期間をあたえている状況だというのが理由だそうです。
ストレスチェックの目的を考えると、「集団分析もいずれ必ず、義務化される(整合性確保のため)」とはっきりと断言!
ストレスチェックと集団分析は、セットで行うべきものと考え、企業側も準備を進めておいたほうがよいことがわかりますね。
施行後、2年が経過したストレスチェック制度ですが、本来の目的の達成のためには、まだまだ取り組むべきタスクは多そうです。

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