食事サイクルの乱れが社員の健康を乱す

私達は一般的に朝、昼、夕と1日3食、食事を行っています。
実は、江戸時代までの日本人は、1日朝夕2食であったといわれています。

1日3食に変化した理由には諸説ありますが、江戸時代から労働時間が増え、起きている時間が長くなってきたのも1つの原因とされています。
つまり、夕方まで働きエネルギーを消費するため、昼休憩を入れお昼ご飯ができたということになりますね。

では、この3食の食事時間は、どのくらいの間隔で取るのが最適なのでしょうか。

食間の時間

食事と食事の間は一体どの程度時間を置くのが良いのでしょうか。
これは4~6時間といわれています。
例えば、朝7時に食事を取ったなら昼11~13時の間に取るのが最適です。
これ以上空いたり、逆にそれ以前に食事をすると体には負担がかかってしまいます。

食間が短いと

食事の間隔が短いと、胃が常に働き続けるため、胃もたれや消化不良などの症状が出やすくなります。
更に食事ではなく甘いものをおやつとして食べることで、摂取カロリーが増えて、肥満や生活習慣病になりやすいといえます。
また、虫歯になりやすくなるというデメリットもあります。

食間が長いと

逆に食間が長い場合、体は軽い飢餓状態となってしまいます。
その状態で食事をすると体が過剰に反応し、脂肪を吸収しやすくなり肥満や生活習慣病を引き起こします。

朝食抜きや残業が乱れた食事時間の原因に

働く世代の場合、食間が短いというより、長いことが問題になる場合が圧倒的に多くなります。
例えば出社ギリギリまで寝ていたいために朝食を抜いてしまい、前の晩の夕食から次の昼食まで長い時間が経ってしまうケースは若い世代に多くみられます。
お腹が空いて午前中に甘いお菓子を食べてしまったり、昼食にドカ食いをする人も多いのではないでしょうか。

また、残業が原因夕食の時間が遅くなり、昼食から夕食までの食間が長く開いてしまうケースは、働き盛りの世代に男女問わずみられます。
この場合、血糖値の急上昇以外にも、深夜に高カロリーの食事を摂ることで更に肥満や生活習慣病になりやすい状況となります。
更に、食事後すぐに横になって眠ることで、逆流性食道炎という病気になりやすいという研究もあります。
深夜の食事(特に高脂肪・高カロリーな食事)は、体にとって百害あって一利なしです。

企業から働きかける「健康的な食事習慣」

食事サイクルのバランスが上手く取れていない原因は、残業による生活習慣病リズムの乱れがとても大きいのが現状です。
仕事と休憩のメリハリをしっかりとつけ、質の良い食事をし健康な体を維持することができれば、より仕事も捗るのではないでしょうか。

最近では、社員の健康へアプローチする手段として、企業側から積極的に取り組みを行うことも増えてきています。

例えば、社員食堂で簡単な朝食や健康的な夕食を提供したり、おにぎりやパンなどを社内で購入できる販売機を導入した企業もあります。
夕食がどうしても遅い時間になってしまう時には、夕方にサンドイッチやおにぎりを食べ、帰宅後は軽いサラダなどで胃への負担を軽くするという食事方法が取り組みやすいといわれていますので、こういった仕組み作りは社員に歓迎されているようです。

しかし、企業側で取り組む最大の課題は、残業の削減です。
社員の健康への投資は、今後ますます重要視されていく傾向にありますので、企業側も積極的に「健康的な食事」を取れる仕組み作りを考える必要があるでしょう。

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