暑い夏、デオドラント剤の使い過ぎには要注意!

暑い夏、デオドラント剤の使い過ぎに注意を

今年の夏は全国的に厳しい暑さになることが予想され、7月に入ってから最高気温が30度を超える日も多くなっています。
この時期、べたべたしたり、服がぬれたり、化粧が崩れたり、においそうだしと頭を抱えるものの一つになっている人が多いのではないかと思われる「汗」。
また、最近は職場などでもにおいが人を不快にする「スメルハラスメント」というものに注目が集まっており、自分のにおいを気にする人が多いのではないでしょうか。
そんな時、頼りになるのがデオドラント剤です。
ただし、このデオドラント剤、使いすぎがいろいろなトラブルを招くこともあるので注意が必要です。

デオドラント剤を使用しすぎることで起こるトラブル

デオドラント剤は、本来分泌されるべき汗が出てくることを閉じ込める役割と、汗によるニオイのもととなる雑菌の繁殖を防ぐ役割があります。
適量を使う分には、効果をしっかりと発揮してくれるのですが、使いすぎてしまうと、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
①汗が出る線をふさいでしまうために他の部分から濃度の濃いドロドロとした汗が出てきてしまったり、皮膚を守ってくれている細菌まで抑制してしまう。そのため、より強力な細菌が繁殖し、更に汗のにおいが強くなってしまう。
②デオドラント剤を多用し、汗が出てくることを閉じ込める状態を長く続けることで、くろずみ・かぶれなどの皮膚トラブルも出てきやすくなる。

デオドラント剤の上手な使い方

とはいえ、汗の多くなる季節を爽やかな気分で過ごすために、デオドラント剤を上手に活用するコツをご紹介します。

□入浴後に使用する
 シャワーなどで汗を流した後にデオドラント剤スプレーをすることで、デオドラント剤の菌の繁殖を防ぐ能力が十分に発揮されます。朝のシャワー後もしくは朝濡れタオルなどで身体を拭いた後に使うことをお勧めします。外出時は、シートタイプのものを使うもしくは汗を拭いてからデオドラント剤を使うことが大切です。
□つけすぎない
 デオドラント剤のつけすぎは、より強いにおいの原因となってしまいます。デオドラント剤はにおいの気になる部分だけつけるようにしましょう。肌トラブルには長時間つけたままにならないように、家に帰ってきたら濡れタオルで拭いたり、早めにシャワーで洗い流すのが効果的です。
□自分に合ったデオドラント剤を選ぶ
 デオドラント剤の多用を防ぐためには、自分に合った制汗剤を使用しましょう。
 耳垢が湿っている人、両親のどちらかが体臭が強い人、下着の脇に黄色いしみが出来てしまう人、水のような汗ではなくなかなか蒸発しにくいベトベトとした汗は体臭が強い傾向にあります。
 体臭が強い人は、無香料の直塗りタイプのデオドラント剤がおすすめです。
 体臭が中程度以下の人は、スプレータイプ・シートタイプのデオドラント剤がおすすめです。
 また、初め使う製品は、かぶれないかを確かめるために、「短時間・少ない箇所」で使うよう注意してください。

汗のにおいを抑えるための生活習慣

汗のにおいは、体質によるもののほかに生活習慣にも大きく左右されます。デオドラント剤の多用を防ぐためにも、汗腺機能を高めることのできる生活習慣を送りましょう。
①バランスの良い食生活を
体臭のおもな原因は、皮脂腺や汗腺から出される油脂成分やそこに溶け込んだにおい物質です。肉などの脂質の多いものを多く食べていると、汗のにおいが気になりやすくなる傾向があります。野菜や魚もバランスよく食べるように心がけましょう。
②こまめに水分を摂取する
水分摂取量が少ないと出てくる汗がベトベトとにおいを伴ってきてしまいます。水分補給をこまめにし、汗をかいたときは脱水を防ぐためにもスポーツドリンクなどのミネラルを含むものを飲むようにしましょう。
③適度な運動をする
適度に運動をすることで、汗腺の働きを高めたり、老廃物をこまめに排出することでサラサラした汗をかいたりすることができると考えられています。また、肥満や生活習慣病も汗がにおう原因の一つになります。肥満、生活習慣病を防ぐためにも運動は必要です。
④禁煙・節煙をする
タバコを吸うことで体内に入ってくるにおい成分が、汗をかくときに出てきてしまうため、汗のにおいの原因となります。
⑤ストレスを溜め込まない生活をする
ストレスによって交感神経が緊張すると、エクリン腺が刺激されて汗をかきます。ストレスは、ノネナールというにおい物質を発生させる原因となってしまうので、ストレスを感じたら気分転換をしたり、深呼吸をして緊張を和らげるようにしましょう。
⑥ 冷房に頼りすぎない生活を心がける
冷房の効いた部屋に1日中いると、汗をかく機会が少ないため、汗腺に老廃物や角質がたまり、かく汗がドロドロとした臭いを伴うものになってしまいます。運動をしたり、夏はシャワーのみで済ませる人も多いかと思いますが、シャワーのみでさっと済ませてしまうのではなく入浴をして汗をかくなど発汗を促すような機会を作るようにしましょう。
⑦汗をこまめに拭き取る
汗を分解して細菌が発生してしまわないように、こまめに汗を拭き取ることが大切といわれています。

デオドラント剤を上手に利用して汗をかく季節を乗り切りましょう

どうしても汗をかいてしまう夏。スメルハラスメントという言葉が出てきてニオイに対しての意識が変わってきている現在。
デオドラント剤を上手に利用して、また、生活習慣を見直して汗トラブルの少ない状況で暑い夏を乗り切りましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

吉尾 清乃株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学在学中に働く世代の方々の健康の大切さに興味を持ち、保健師になって約10年。今までいろいろな現場にてメンタル身体問わず健康の大切さをお伝えさせていただいてきました。働き盛りの忙しい時期にご自身の健康にいかに気を気を使えるか、これがこれからの人生100年時代をイキイキと生き抜けるかどうかに非常にかかっています。そのお役に立てるよう忙しい中でも読んでよかったと思える情報をお伝えしていきます。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士、健康運動指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】「抗原」「抗体」ってなに? コロナ抗体検査は必要?

一目置かれる健康知識

  1. 他人ごとだと思っていませんか?若年性認知症
ページ上部へ戻る